時代が大きく揺れ動いた幕末から明治を生きた絵師、河鍋暁斎(1831—1889)は、幼いころに歌川国芳に入門したのち狩野派を学び、19歳の若さで修業を終え、さらに流派にとらわれず様々な画法を習得しました。
仏画から戯画まで幅広い画題を、ときにはユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げた暁斎は、今も異才・鬼才の名をほしいままにしています。
そんな河鍋暁斎の一大コレクションを公開する展覧会が、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。(~4月16日まで)
本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏の所蔵作品によって、多岐にわたる暁斎の画業を辿ります。
本展の見どころを、Bunkamuraザ・ミュージアムの学芸員、黒田和士さんにうかがいました。
「本展では、緻密で繊細なものから一気呵成に描き上げた大胆なものまで、ありとあらゆる技を駆使した暁斎の多彩な作品が一堂に会します。
暁斎はその卓越した画力で、動物の描写もさることながら人間のようにふるまう動物たち、退治するはずの鬼と戯れる鍾馗、鷹に追われる風神など、ユーモラスでミステリアスな世界を存分に見せてくれます。
ゴールドマン氏はイギリス在住の画商ですが、暁斎の作品だけは商品にしたくないというほど熱烈なコレクターです。本展は、ふだん国内では出会うことのない貴重な作品に出会える機会です。ぜひお見逃しなく」
本展は高知県立美術館、美術館「えき」KYOTO、石川県立美術館に巡回されます。お近くの方はお楽しみに。
【ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力】
■会期/2017年2月23日(木)~4月16日(日)
■会場/Bunkamuraザ・ミュージアム
■住所/東京都渋谷区道玄坂2-42-1
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1400(1200)円 大高生1000(800)円 中小生700(500)円 ( )内は20名以上の団体料金、障がい者手帳所持者は割引あり
■開館時間/10時から19時まで、金・土曜日は21時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/会期中無休
■アクセス/JR渋谷駅ハチ公口及び東京メトロ銀座線・京王井の頭線渋谷駅より徒歩約7分、東急東横線・東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線渋谷駅3a出口より徒歩約5分
■美術館WEBサイト/http://www.bunkamura.co.jp
取材・文/池田充枝