「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努⼒をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶⼒の鍛錬につながるといわれています。
「脳トレ漢字」今回は、「快哉」をご紹介します。スポーツ観戦などしながら漢字への造詣を深めてみてください。

「快哉」は何と読む?
「快哉」の読み方をご存じでしょうか?
正解は……
「かいさい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では「ああ愉快だと思うこと。胸がすくこと」とあります。つまり、心地いいほど痛快であること、またはその痛快さをほめたたえる気持ち。文章では「快哉を叫ぶ」「快哉を叫んだ」などの形で、勝利や成功を喜び、称賛する場面で使われます。
「快哉」の由来
「快」は「こころよい」「胸のつかえがとれてせいせいする」という意味。「哉」は「かな」とも読み、感動や詠嘆を表す助字(漢文で語調を整えたり、意味を添えたりする字)です。つまり、文字通り解釈すれば「ああ、なんと心地よいことか!」「ああ、せいせいした!」という感嘆の声そのものが、この熟語の成り立ちなのです。
現代語でよく使われるフレーズとしては、「快哉を叫ぶ」という形が一般的でしょう。
「長年のライバルに勝利し、快哉を叫んだ」
「悪政が正され、民衆は快哉を叫んだ」
といったように、単なる喜びというよりは、鬱屈していたものが晴らされたような、スカッとする爽快感を伴う場面で使われます。
「痛快」と「快哉」はどう違う?
似たような言葉に「痛快(つうかい)」がありますね。「痛快な逆転劇」などと使いますが、「快哉」とはどう使い分ければいいのでしょうか?
「痛快」は、「非常に愉快なこと」という意味で、胸がすくような気持ちよさを表す点では同じです。しかし、「痛」という字が入っている通り、相手をやり込めたり、急所を突いたりするような、鋭い刺激や勢いの良さに重きが置かれています。アクション映画を見て「ああ、痛快だった!」とは言いますが、「快哉だった」とはあまり言いませんね。
一方、「快哉」は、先ほど述べたように「叫ぶ」という動作とセットで使われることが多く、心の底から湧き上がる「ああ、よかった!」という感情の爆発や、感極まる様子に焦点が当たっています。
例えば、贔屓の力士が格上の横綱を豪快に投げ飛ばしたとしましょう。その取り組み自体は「痛快」な一番です。
そして、その勝利を見て思わず万歳をして喜ぶ観客の姿こそが、「快哉を叫ぶ」光景なのです。

現代社会では、SNSなどで「スカッとする話」が人気を集めていますが、これも一種の「快哉」を求めている心理の表れかもしれません。しかし、本当の「快哉」とは、誰かを貶めて喜ぶことではなく、努力が報われたり、善行が認められたりした瞬間にこそ宿るもの。言葉の品格は、それをどう使うかという私たちの心持ちにかかっているのです。
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いかがでしたか? 今回の「快哉」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 胸のつかえがとれるような「快哉を叫ぶ」瞬間が、皆様の日常にも訪れますように。
来週もお楽しみに。
●執筆/武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com











