正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google 先⽣やデジタルデバイスの出現により、便利になった反⾯、情報の中⾝については⼗分な吟味が必要な時代になっております。あなたの「漢字の知識」は確かでしょうか? もう⼀度、確認しておいてもいいかもしれません。
「脳トレ漢字」今回は、「分葱」をご紹介します。温かいお鍋を囲みながら漢字への造詣を深めてみてください。

「分葱」は何と読む?
「分葱」の読み方をご存じでしょうか?
正解は……
「わけぎ」です。
「分葱」は「わけぎ」と読みます。「ぶんねぎ」と読んでしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに「分」という字は「ぶん」と読むことが多いですし、「葱」は「ねぎ」ですから、そう読みたくなる気持ちもよく分かります。
分葱は、一般的な長葱とは異なり、根元が枝分かれして複数の茎が束になって育つ特徴があります。味わいは長葱よりもマイルドで、ぬめりがあり、独特の風味を持っています
「分葱」の由来
「分葱」という名前は、この野菜の生育方法に由来しています。分葱は株分けによって増やすことができる植物で、一つの株から複数の茎が「分かれて」育つことから、この名がつきました。種からではなく、球根を植えて育てるため、「分けて」増やす葱という意味で「わけぎ」と呼ばれるようになったのです。

似て非なる緑の野菜
さて、「わけぎ」と聞くと、「ねぎとどう違うの?」「あさつきとは?」と、新たな疑問が湧いてくる方もいらっしゃるでしょう。見た目が似ている緑の野菜たちは、私たちをしばしば混乱させます。ここで少し、それぞれの違いを整理してみましょう。
わけぎ:ねぎと玉ねぎが混ざった品種。根元が少しぷっくりと膨らんでいるのが特徴です。ねぎよりも香りが柔らかく、甘みがあります。ぬめりがあり、熱を通すととろりとした食感になるため、ぬた(和え物)や卵とじなどにぴったりです。
ねぎ(葉ねぎ・小ねぎ):「万能ねぎ」や「九条ねぎ」などがこちらに含まれます。根元は膨らまず、すっとしています。シャキシャキとした食感と独特の辛味や風味が特徴で、薬味として大活躍しますね。
あさつき:漢字で書くと「浅葱」。こちらはねぎの仲間ではありますが、別の種類(ヒガンバナ科ネギ属)です。わけぎや小ねぎよりも細く、香りが強くて辛味もピリッと際立っています。その風味を活かして、お蕎麦の薬味として重宝されます。
それぞれの個性を知ると、お料理に合わせて使い分ける楽しみが生まれます。例えば、今夜のお鍋には、風味付けに「小ねぎ」を刻み、甘みと食感をプラスするために「わけぎ」をざく切りにして加えてみるのはいかがでしょうか。それぞれの持ち味が、お鍋の味をより一層奥深くしてくれるはずです。
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いかがでしたか? 今回の「分葱」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 寒い季節、温かい料理に分葱を添えて、その優しい風味を楽しんでみてはいかがでしょう。
来週もお楽しみに。
●執筆/武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com










