正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google 先⽣やデジタルデバイスの出現により、便利になった反⾯、情報の中⾝については⼗分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう⼀度、確認しておいても良いかもしれません。
今回の「脳トレ漢字」は、「麗らか」をご紹介します。「華麗」「麗しい」という言葉にも使われる漢字で、春の季語にもなっています。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。

「麗らか」とは何とよむ?
「麗らか」の読み方をご存知でしょうか? 「れいらか」ではなく……
正解は……
「うららか」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま。」「声などが晴れ晴れとして楽しそうなさま。」と説明されています。「麗らかな天気」「野鳥の麗らかな鳴き声」などのように使うことができます。
また、古典の世界では「おっとりしている」「心にわだかまりがない」という意味として使われるそうです。
「麗らか」の漢字の由来は?
「麗」という漢字は、「鹿が連れ立って行動する様子」を表しているそうです。また、「れい」という読みに、美しく澄んだ意味が含まれていると考えられています。
「桜」の語源

冬の寒さが和らぎ、麗らかな日和の春が近づいてきました。春といえば、やはり桜ですね。2025年の桜開花時期は、全国的に平年並みか平年より遅いそうです。日本を代表する花として、古来より親しまれてきた桜。大変長い歴史を持つため、その語源についても諸説あります。
一つには、「咲く」という動詞に複数形の「ら」が加わり、花が密生する植物という意味で「さくら」と呼ばれるようになったという説があります。また、『古事記』に登場する神武天皇の曾祖母・木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)に由来するという説もあります。
コノハナノサクヤヒメは儚い命を象徴する美しい女神で、「サクヤ」が「さくら」に転じたのではないかと考えられているのです。ほかにも複数の説があり、真偽のほどは定かではありませんが、逸話に思いを馳せると、桜を見るのがより楽しくなるかもしれません。
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いかがでしたか? 今回の「麗らか」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 桜の木を眺めると、蕾が少し膨らみ始めているように見えます。季節の変わり目で体調を崩さないように、温かくしてお過ごしください。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB
参考資料/『デジタル大辞泉』(小学館)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本大百科全書』(小学館)
