中学一年生で習うような簡単な単語の組み合わせも、実はいろんな意味を含んでいることがあります。知ってる単語だと思っていたけれど、どうやら意味が違う……そんな経験は、みなさんにもあるのではないでしょうか?
今回は、そんなシンプルな言葉の、ちょっと意外な意味をご紹介しましょう。

目次
“I’m good.” の意味は?
やさしく断る英語表現
最後に
“I’m good.” の意味は?
“I’m good.” は日常会話でよく耳にするフレーズですね。
A: “How are you doing?”
(調子はどう?)
B:“I’m good, thank you.”
(元気です。ありがとう。)
この “I’m good.” は、「元気です」「調子いいです」という意味です。
この意味に加えて、まったく別の意味の “I’m good.” があります。それは……?
何かをすすめられたり誘われたりしたときに、「今はいいかな」「遠慮しとくね」など、やんわり断るときに使うことができます。
例えば、
A:“Do you want some chocolate?”
(チョコレート、食べる?)
B:“I’m good.”
(ううん、大丈夫。)
“No, thank you.”と同じような意味合いですが、よりカジュアルなシーンで使われています。「今はいいです」「いらないです」と遠回しに断る言い方で、日本語の最近の「大丈夫です」の使い方に少し近いかもしれません。

やさしく断る英語表現
英語にはやわらかく断るための表現がたくさんあります。ここでは、日常で断るときに使われるフレーズを3つご紹介します。
1. “Thank you, but…”
「ありがとう、でも…」と、感謝の気持ちを先に伝えてからやんわり断る表現です。
例文1
“Thank you, but I think I’ll stay home tonight.”
(ありがとう、でも今夜は家にいることにするよ。)
例文2
“Thank you, but I already have plans.”
(ありがとう、でももう予定があるんだ。)
2. “Not right now. / Not this time.”
「今はやめとく」「今回は遠慮しとくね」と、やわらかく断る表現です。次の機会には参加するかもしれない、という気持ちが感じられます。
例文1
A:“Want to grab coffee?”
(コーヒー飲みに行かない?)
B:“Not right now. Maybe later.”
(今はやめとく。またあとでね。)

例文2
A:“Are you joining the team dinner?”
(チームの夕食、参加する?)
B:“Not this time, but thanks for asking.”
(今回は遠慮しとく、でも声かけてくれてありがとう。)
3. “I’d love to, but I can’t.”
「ぜひ行きたいけど、行けない」と、好意を示しながら断る表現です。
例文1
“I’d love to, but I have to study for an exam.”
(行きたいんだけど、試験勉強しなきゃ。)
例文2
“I’d love to come, but I’m not feeling well today.”
(行きたいんだけど、今日はちょっと体調が悪くて。)
最後に
英語も日本語と同じように、時代や地域、そして人との関係性によって、言葉のニュアンスや使い方が変わっていきます。
たとえば、著者は、中学生の息子に「おやつ食べる?」と尋ねたとき、「大丈夫」と返されて、「それって、いらないってこと? それとも、食べたいってこと?」と、少し戸惑うことがあります。
以前、元ジャーナリストの80代のイギリス人の知人と、言葉づかいについて話したことがありました。彼もまた、若い世代の話し方について、「最近の若者は “like” を多用しすぎる」とこぼしていました。日本語でいえば「〜みたいな」にあたる表現です。「みたいな、みたいな…と連発されると、文章が美しくなくてね」と、少し苦笑いしながら話してくれたのが、とても印象的でした。
彼は “I’m good.” という表現にもどこか違和感を覚えるそうで、 “I’m fine.” や “I’m OK.” のほうがしっくりくると話していました(“I’m fine.” や “I’m OK.”も柔らかく断る時に使われます)。そんな話を聞きながら、こうした感覚の違いは、どこでもあるものなのだなと感じました。
言葉は、誰かとの関わりのなかで生まれてくるもの。言葉を紡ぐということは、人との出会いにも少し似ている気がします。日々の暮らしのなかで、いつも丁寧に言葉を選ぶのはむずかしいけれど、できる限り、一つひとつのやりとりを大切にしながら、言葉と向き合っていけたらと思います。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com
