外国語を学ぶことは、異なる視点や感情、そして文化の豊かさを探求する旅でもあります。新しいことばとの出逢いは、その表現の広がりを感じると同時に、自分自身の言語や文化を新たに発見したり、理解が深まったりするように思います。
さて、今回ご紹介するのは “You made my day.”です。
目次
“You made my day.” の意味は?
“You made my day.” はどこからきた?
感謝を伝える英語表現
最後に
“You made my day.”の意味は?
“You made my day.” を直訳すると、“make” は(作る)、”day” は(日)で「あなたは私の日を作る」ですが……、そこから転じて
正解は……
「(あなたのおかげで)ハッピーな一日になった。」という意味になります。
誰かがあなたをしあわせな気持ちにしてくれて、感謝の気持ちを伝えるときに使う日常会話のフレーズです。 「(あなたのおかげで)最高の一日になった。」「最高の気分にしてもらった。」という意味になります。
『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)には、“make a person’s day”について「人を喜ばせる、幸せにする」と書かれています。
たとえば、
“Thanks. You made my day!”
(ありがとう! おかげでいい一日になったよ!)
“Seeing those little kids having so much fun just made my day.”
(楽しそうに遊ぶ小さな子どもたちの姿を見て、最高の一日になりました。)
などと使います。
“You made my day.” はどこからきた?
“You made my day.” というフレーズが一般的になった経緯については諸説あります。最も広く知られているのは、クリント・イーストウッド主演のハリウッド映画『ダーティハリー4』(原題: Sudden Impact)の中での決めゼリフ、“Go ahead, make my day.” からです。
このセリフが使われたのは、ハリー刑事が人質を取った強盗と向き合う緊迫した場面。ハリーは「さあ、やってみろよ、俺を楽しませてくれ」と挑発的に言い放って、強烈な印象を与えました。映画の決め台詞として話題となったこのフレーズはその後広く使われるようになります。
映画の中でのこのセリフは、挑発的な意味合いが強いですが、もともとは素直に感謝を表現するときに使います。
感謝を伝える英語表現
英語には感謝を表すための表現がたくさんあります。ここではよく使われている3つの形をご紹介します。
1.Thank you.
みなさんもご存じの “Thank you.”ですが、少し単語を加えるだけでより広く使えるフレーズとなります。
・Thank you + for + 名詞
“Thank you for~” の後に、具体的な名詞を加えると、その物事に対する感謝を伝えることができます。
“Thank you for the cake.”
(お菓子をありがとう。)
“Thank you for your help.”
(手伝ってくれてありがとう。)
・Thank you + for ~ing
“Thank you” に “for” と動詞の現在分詞(-ing )を加えることで、何かの動作に対する感謝を伝えることができます。
“Thank you for listening.”
(話を聞いてくれてありがとう。)
“Thank you for making tea, it warmed me up.”
(お茶をいれてくれてありがとう。体が温まったよ。)
2.Appreciate
“appreciate” も、感謝の気持ちを表す時に用います。この動詞は、少しフォーマルで丁寧な印象を与えます。
“I received your kind letter and I really appreciate it.”
(優しいお手紙を受け取って、本当に感謝しています。)
“I appreciate your help with the project.”
(プロジェクトを手伝ってもらって感謝しています。)
3.Grateful
形容詞 “grateful” もまた、深い感謝の気持ちを表します。この表現も少しフォーマルで、丁寧な場面で使われることが多いです。
・grateful to + 感謝する相手
・grateful for + 感謝の対象(行為やもの)
たとえば、
“I’m grateful to you for all your help.”
(助けていただいてとても感謝しています。)
“I’m grateful for your warning.”
(ご忠告に感謝しています。)
などと使います。
“Thank you.” にはじまり、さまざまな場面で感謝のフレーズを使う機会があるとうれしいですね。
最後に
先日、静岡県を訪れた際、中学生の次男と一緒にカフェに入りました。ふとしたきっかけで、隣の席に座っていたご婦人とお話しすることに。そこから小一時間、歴史好きの息子も交えて、歌人の平兼盛と静岡の関わり、武道や茶道といった「道」の奥深さ、観光都市と土地を守ることについてなど、いろんなお話しをしました。
お琴と三絃の師範だというこのご婦人は、80歳を目前にして新たな挑戦への意欲を語っておられ、凛とした佇まいと輝く瞳に引き込まれて、新幹線の時間を忘れそうになるほど楽しいひとときを過ごしました。
別れ際、「今日はお話しできてうれしかったです。ありがとうございました。」と言葉を交わしましたが、自分で言いながらも少し硬い印象です。
こんな時、英語だったら、
“Thank you! You made my day!”
(ありがとう。とてもハッピーな時間でした。)
と軽やかに言えたかもしれないと感じました。ことばが紡ぐ感覚の違いを味わうことも、語学の醍醐味だと感じた体験でした。次回もお楽しみに。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com