外国語を話すとき、「間違えたら恥ずかしい」と思ってしまうこと、ありますね。特に、周りが盛り上がっているのに、一人だけ話についていけないときなど、焦ることもあると思います。けれど間違いは決して悪いものではなく、むしろ言語を身につけるための大切なプロセスです。
「あ、やってしまった!」と失敗して覚えた表現は、忘れないものかもしれません。完璧を求めず、ときには間違いを楽しみながら、ことばの世界に飛び込んでみるのはいかがでしょう。
さて、今回ご紹介するのは “screw up”です。

目次
“screw up”の意味は?
さまざまな「失敗」の表現
「国際失敗の日」
最後に
“screw up”の意味は?
“screw up” を直訳すると、 “screw” は(回す)、 “up ” は(上に)ですが……、そこから転じて
正解は……
「大きな失敗をした」「ヘマをした」という意味になります。
親しい間柄のカジュアルな会話や日常的なコミュニケーションで使われる、くだけた表現です。
『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)には、「 (事態などを)台なしにする,めちゃくちゃにする,ぶちこわす;大失敗する,へまをやらかす」と書かれています。
“screw” は名詞で、(ねじ)や(ねじくぎ)の意味。動詞には、(ねじで締める、回して取り付ける)や(くしゃくしゃに丸める)などの意味があります。
例えば、
1. I screwed up the TOEIC test this time.
(今回のTOEICのテストでは大失敗しちゃった。)
2.
A: Ugh, I totally screwed up. I meant to text him, but I accidentally sent “I love you” to my boss instead.
(うわ。やってしまった。彼にメールしようとして、間違って上司に「大好きよ。」って送っちゃった。)
B:Oh no! What did they say?
(えー! 返信きたの?)
A:”Uh…… thanks?”
(「あ……ありがとう?」って。)
B: Oh no. That’s a tough one to respond to…
(うわー。返信難しいね。)
などと使うことができます。

さまざまな「失敗」の表現
「失敗する」にはいろいろな言い方があります。フレーズを使い分けることで、微妙なニュアンスを伝えることができます。
Fail
“fail” は、「失敗する」「しくじる」「不合格である」といった直接的な表現です。
“I failed the TOEIC test this time.”
make a mistake
“mistake”は動詞として使うこともできますが、日常会話ではあまり一般的ではありません。会話では、“make a mistake”のように名詞としてよく使われます。
“I made some mistakes on the TOEIC test this time.”
mess up
“mess up” には、「失敗する」「台無しにする」「壊す」などという意味があります。“screw up”と同じくインフォーマルで、くだけた表現です。“screw up”よりも少し柔らかなニュアンスがあります。
“I messed up the TOEIC test this time.”
などの表現があります。
「国際失敗の日」
フィンランドでは、毎年10月13日が、「国際失敗の日」“International Day for Failure”として記念日になっています。2010年にアールト大学の学生起業家グループが発案したもので、今ではヨーロッパを中心にその理念が広がりを見せています。
「国際失敗の日」のメッセージには、「自分の失敗を抱きしめる」「大きく夢見て失敗する」「周りも失敗を受け入れ、支え合う」などがあり、温かな社会づくりが提唱されています。当初はフィンランドでも失敗について語りあうことにためらいがあったようです。
けれど、欧米の起業家たちが賛同し、今では多くの国でこの理念が広まっています。 自分の失敗を受け入れ、支え合いながら挑戦していく姿勢は、どの文化にも通じる大切な考え方なのかもしれません。

最後に
とはいえ、やはり失敗はできれば避けたいもの。何事も、順調に進めばいいのにと思うこともあります。失敗が怖くて踏み出せないとき、喜劇王 Charlie Chaplin(チャーリー・チャップリン )の言葉を思い出します。
“Failure is unimportant. It takes courage to make a fool of yourself.”
出典『A-Z Great Film Directors』(Octopusbooks Andy Tuohy著 2015年刊)
(失敗など大した事ではない。自分を笑い物にするには勇気がいる。)
自分の恥ずかしい部分や愚かさを勇気を出して笑ってみたら、一歩前に踏み出すことができるかもしれませんね。
次回もお楽しみに。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com
