まひろと阿弥陀如来
I:出家して、道長の病が重くなってきました。源倫子が人生の最期を迎えようとしている道長に対して、最後にまひろに会わせるという決断をくだします。正妻としての余裕の行動、あるいは愛する道長が望んでいることは何かということを冷静に考えた末の決断……。いずれにしても少年少女の時代からのソウルメイトとして交流を続けてきた道長とまひろの関係への配慮がなんともいえないですね。
A:私はこの場面について思うことがありました。道長の臨終といえば、道長が建立した法成寺で道長が帰依した九体の阿弥陀如来に囲まれていたそうです。道長の指と阿弥陀如来の指は五色の糸で結ばれていたといいます。『光る君へ』ではそうした場面は登場せず、まひろと道長の会話が交わされました。「ああ、まひろの存在こそが阿弥陀如来なんだな」と感じました。
I:ああ、なるほど。確かに道長にとってまひろとは如来のような存在だったのかもしれません。そう考えると、仏像に帰依する道長の姿よりもまひろと会話する姿の方がありなのかもしれません。「まひろ如来説」ってことですね。光る君は、道長にとってはまひろだったのかもしれない、なんて思ったりもしました。
【双寿丸が向かった戦場。次ページに続きます】