摂関政治と近親婚
I:道長の次女藤原妍子(演・倉沢杏菜)が姉の中宮彰子を訪ねて来て、道長子女の動向をきちんと説明する場を設けてくれました。
A:道長が次女の妍子を居貞親王に入内させようとするという場面でした。妍子は「父上は帝の皇子も東宮様の皇子も自分の孫にして権勢を盤石になさろうというお方」としっかり説明してくれました。
I:「ブラック道長」を次女が解説するという摩訶不思議な場面になりましたね。
A:これは道長の父兼家も実行した手法です。兼家は、長女の超子を冷泉天皇に、妹の詮子(演・吉田羊)を円融天皇に入内させました。ですから、兼家からみれば、居貞親王も、一条天皇も外孫になります。この段階で居貞親王には藤原娍子(すけこ/演・朝倉あき)が正妻としていて、すでに第三皇子まで誕生していました。娍子の父済時(なりとき)は、道長の父兼家の従兄弟になります。
I:敦明親王(演・阿佐辰美)のほかにもふたりの皇子がすでにいたのですね。それでもかまわずに妍子を入内させたわけですね。
A:一条天皇と皇后定子(演・高畑充希)との間に生まれた敦康親王と敦明親王は「悲劇の皇子」ということになるのですが、いったいどういうふうに描かれるのか。要注目ですよ。と同時に、ひとつの家が継続して外戚として権勢を握り続けるには、近親婚が続くということになります。この摂関政治の行く末がどうなっていくのかも注目ですよね。
【敦康親王を「竹三条宮にお移し申し上げよ」の残酷。次ページに続きます】