ライターI(以下I):『光る君へ』第38回は、清少納言(ききょう/演・ファーストサマーウイカ)と藤式部(まひろ/演・吉高由里子)のけっこう激しいやり取りが胸に響いてきました。平安中期のスーパースター同士のやり取りが、まったく違和感なく自然に受容できる絶妙な感じで挿入されるのってやっぱりすごいですよね。
編集者A(以下A):実際にこんなやり取りがあったかもしれない、あったら面白い、いやきっとあったに違いない。そんな感じでわくわくさせられた視聴者が多かったのではないでしょうか。
I:清少納言が「私は腹を立てておりますのよ、まひろさまに!」「『源氏物語』を恨んでおりますの」と啖呵を切った場面にしびれました。
A:「清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人」という『紫式部日記』の有名な清少納言評のくだりについても、いろんな角度から考察できますよね。
I:日記には悪し様な評価が綴られていますが、ドラマを楽しみたい私は、実際には仲がよくとも悪し様に書いたのではないかと思ったりしています。だって、清少納言スパイ疑惑があったくらいですから。
【嫡男頼通の結婚問題。次ページに続きます】