安倍晴明の実像とは?
I:これまで藤原兼家(演・段田安則)、道長と密接な関係を築いて、「影響力」を行使してきた安倍晴明(演・ユースケ・サンタマリア)が生涯を終えました。安倍晴明というと、映画やドラマの『陰陽師』での常人外れの「スーパー陰陽師」という印象が強かったですが、本作ではより生々しく政治に関わる天文博士として描かれました。
A:なんとなく得体のしれない雰囲気を醸し出す絶妙のたたずまい。実際は、こちらの晴明が「リアルな陰陽師」だと思わせてくれたのは、ユースケ・サンタマリアさんの好演の賜物ですよね。出番はそれほど多くはありませんでしたが、魅了されました。ユースケさんは、2020年の『麒麟がくる』では朝倉義景を演じて以来の大河ドラマ登場ですが、朝倉義景同様に記憶に刻まれますよね。
三種の神器の焼失事件
I:今回の第32回でびっくりしたのが、「三種の神器」のひとつ「八咫鏡(やたのかがみ)」が焼失した事件についても触れられました。
A:「三種の神器」といえば、壇ノ浦合戦(1185)の際に、安徳天皇とともに関門海峡の海に沈みます。この時は草薙剣(くさなぎのつるぎ)以外の「八咫鏡」と「八尺瓊勾玉」は回収されたわけですが、道長の時代にもこんな災厄に見舞われていたとは。そういえば、福岡県糸島市にある平原遺跡から出土した国宝の「内行花文鏡」は、三種の神器の八咫鏡と同じものではないかとする説もあります。直径46.5センチ、日本最大級の銅鏡。以前、伊都国歴史博物館で実見したことがありますが、神々しい鏡でした。
I:『魏志倭人伝』に登場する伊都国に比定される場所ですよね。古代史ロマンですよね。
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