ついにまひろが出仕

まひろが書いた物語に興味を持つ一条天皇(演・塩野瑛久)。(C)NHK

I:さて、ついにまひろが中宮彰子(演・見上愛)への出仕を打診されます。御上が物語の続きを読みたいということで、宮中で女房として仕えながら書かないか、ということでした。

A:御上は当初、読んだにも関わらず、「忘れておった」といって、気にも留めていないそぶりを見せて道長を落胆させました。しかし、実際にはものすごく胸に迫りくるものがあったとみえ、続きを読みたいと言い出します。この辺りの心の機微について、つい先日、一条天皇役の塩野瑛久さんが会見で少し語ってくれていたので、ご紹介しましょう。

一条天皇はそもそも書物や物語を読むのが好きな人物ですが、特に清少納言(演・ファーストサマーウイカ)が定子(演・高畑充希)について書いた『枕草子』は擦りきれるほど読んでいました。それが心のよりどころだったのかなと感じています。そこにまひろ(演・吉高由里子)が書いた『源氏物語』が登場し、圧倒的な文章力やワードセンスを感じつつ、自分の過去を追体験させられるような内容に心がえぐられ、一旦そこから目を背けるという流れが描かれます。なので、僕も役作りというより、物語を受け取った彼がどう感じるか、ということを念頭に、素直に演じたいと思い演じました。

I:このインタビューの日は、塩野さんがちょうど『光る君へ』をクランクアップした日だったそうです。ああ、やがて一条天皇に会えなくなってしまうのね、とちょっぴり切ない思いに駆られました。大河ドラマ初出演の塩野さんですが、もう私の中では一条天皇といえば塩野さんという感じですっかり定着しています。

安倍晴明の実像とは? 次ページに続きます

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