道長への「一途な愛」を貫くまひろ
I:さて、場面変わって越前に赴くにあたって、まひろから道長に文を届けます。相も変わらず一途な思いが伝わってきます。いつもの廃邸と思われる場で、「中宮さまを追い詰めたのは道長さまですか?」「小さな騒ぎをことさら大事にし伊周さまを追い落としたのもあなたの謀ですか?」と問いただします。どうしても確認したかったのでしょう。
A:藤原伊周と道長の対立の構図があり、結果的に伊周が転落しているわけですから、前段で宣孝(演・佐々木蔵之介)が示唆したように、「道長が黒幕?」という見方が広まるのはしょうがないですよ。ところが前述のように、本事案については、一条天皇の意向が大きくて、道長が主導したわけではない。
I:まひろも、道長が黒幕ではない、と感じ取ったようです。ここで、まひろは「一途な愛」を確認するのですが、私がひとつだけ気になったのは、道長とまひろが「一途な愛」を確認し合う一方で、道長の正妻源倫子(演・黒木華)が身重だったことです。人間の性とはいえ、少しだけざわめきました。
A:時期的に倫子のおなかの中の子は後の藤原教通(のりみち)ですね。道長と倫子の間にできた4人めの子で、後年兄の頼通のあとを継いで関白になる人物です。
【琵琶湖から越前入り。次ページに続きます】