60年間の家康を演じた松本潤さん。日光東照宮にて。(C)NHK

ライターI(以下I):『どうする家康』が最終回を迎えました。

編集者A(以下A): 主人公家康を演じた松本潤さんは、放送前年から精力的に関係各所を取材していました。その一部は、BS『どうする松本潤? 徳川家康の大冒険』などの番組で放送されました。桶狭間合戦後の動向をたどるためにサイクリングをしながら岡崎城を目指したり、長篠・設楽が原古戦場にも出向いたりして、現地調査にいそしみました。

I:家康の廟所がある静岡市の久能山東照宮には幾度もお参りしていたことも知っています。浜松でのパレードへの参加など、これまでの大河ドラマ主演者の中でもこれほど熱心に作品に向き合った俳優は珍しいのではないかと思えるほどでした。

A:11月27日にNHKホールで行なわれたファン感謝祭で、印象に残る出来事がありました。ファンとの触れあいの時間が設けられていたのですが、松本潤さんは、真っ先に小学生のところに向かって行き交流していました。現在史学科で教鞭をとる研究者で、子供の頃に大河ドラマファンだったという人は多いです。大河に出演する俳優でも子供のころおじいちゃんと一緒に見ていたという人も意外に多かったりします。あの時、松本潤さんに声をかけてもらった子供にとって、一生の宝になったと思います。

I:私は3週ほど前から、ロス状態が続いていました。今、最終回を見終わって、「ああ、本当に終わってしまったんだ」という思いに駆られています。それは多くの視聴者も同様ではないでしょうか。そうした中で松本潤さんからコメントが寄せられました。原典は番組公式HPとXにて投稿されたインタビュー動画になります。まずは撮影を終えての感想です。

長かったなとも思うし、まだまだやりたいなという気持ちもあるし、いろいろな感情があり複雑な心境ではありました。ただ、撮影を終えてみて、ここまでやってこられたのは見てくださっている視聴者の方をはじめ、一緒に作品を作ってくれた出演者・スタッフの皆さんのおかげだなと。本当に皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいでした。(出演者・スタッフの皆さんと)家族以上に毎日顔を合わせて現場でいろいろな話をしながら撮影する日々が、僕の中で日常になっていたので。それを最後までやり遂げられてよかったなと思っています。

A:本作では「徳川家臣団」の絆が深く描かれました。家臣団がひとりまたひとりと退場していくたびに、演者の方から発せられるコメントに「殿」への信頼と団結力が表れていました。そうしたことも懐かしいですね。

I:松本潤さんのお話は、去りゆく家臣団への思いに続きます。

13歳から亡くなるまでなので、60年間くらい家康公の人生を演じさせていただきました。老けメイクや体の使い方も徐々に変えていくとか……家康公を通して、いろいろな経験をさせていただいたなと。(今後の)自信に繋がるんじゃないかなと思います。各登場人物のラストシーンが終わるたびに、それぞれの方がいなくなっていく、離れていくというのが、「お疲れ様でした」という思いと、寂しさと……いろいろな思いがありました。何より徳川家康という人物は、それぞれの登場人物から託される思いみたいなものが凄く強かったので、役者さんたちからも(思いを)いただきながら最後まで演じるというのが、自分のやるべきことだなと思って演じてきました。

I:そうですよね。その思いが最終回のラストシーンに込められていたと、私は感じています。松本潤さんのこのお話に接すると、ラストシーンがより一層映えて見えるような気がします。松本潤さんのお話は『どうする家康』が現代に送るメッセージと視聴者の方々へのメッセージに続きます。

現代も、今なお争いごとがある世の中だと思うから……戦国時代がどういう時代で、その時代をどんな思いで生きていた人達がいたのかというのを受けて、今を生きる人たちがどういうことを感じてくださるかというのが一番のメッセージだと思うので。見てくださった方それぞれが感じてくださることが答えなのだと思っています。

大河ドラマ『どうする家康』をご覧いただいた方、応援してくださった方、本当にありがとうございました。この作品が、皆さんにとって何か心に残る作品だったら自分たちは作品をつくった意味があると思いますし、何年か経って見返していただくとまた違ったふうに感じるかもしれないので、これからもこの作品を愛していただけたらと思っております。1年間、長きにわたり支えていただきありがとうございました。

A:松本さんのいうように、何年か経ってから改めて作品に接すると違った見え方がするでしょうね。100年以上続いた戦乱の世に終止符をうった大人物ですし、研究も進展していくでしょうし。

I:子供たちにとって、家康=松本潤さんになったと思います。新たな家康像に接することができた子供たちがうらやましかったりします。まあ何はともあれ、お疲れ様でしたとお伝えしたいですね。

A:本当ですね。また時代物、歴史物での活躍を期待したいですね。

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。

●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

 


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