ライターI(以下I):9月15日に『どうする家康』の新キャストの発表がありました。当欄では関ヶ原合戦に関連する人物に触れていきたいと思います。
編集者A(以下A):いや噓のような本当の話なのですが、新キャスト発表のタイミングで私は、青森県の下北半島にいました。毛利輝元役に吹越満さんの名前を見たまさにそのとき、青森県横浜町の吹越周辺にいたんです。
I:それは偶然とはいえ、恐ろしい符号ですね。
A:東北百名山に数えられる吹越烏帽子(ふっこしえぼし)も聳えています。近隣の青森県東北町出身の吹越満さんは「ふきこし」ですが、地名の吹越は「ふっこし」と読みます。
I:福井県に織田家発祥の地といわれる劔神社があります。そこの地名の「織田」は「おた」と読みますよね。
A:さて、その毛利輝元ですが、いうまでもなく関ヶ原合戦時に西軍の大将として大坂城にいた人物。かつて『毛利元就』(1997年)で大河ドラマの主人公になった毛利元就の孫にあたる人物です。
I:けっこうな大物なんですよね。
A:室町幕府の最後の将軍足利義昭を最後の最後まで支えた人物です。毛利領内の鞆(とも/広島県福山市)で義昭を保護していました。鞆の御所は「鞆幕府」とも称されます。かねて毛利輝元は行きがかりで西軍の大将になったと言われていましたが、近年の研究では、けっこう積極的だったというふうにもいわれています。本作では、どのように描かれるのでしょうか。
I:吹越さんといえば、2001年の『北条時宗』で演じた鎌倉幕府第6代将軍宗尊親王が印象に残っています。
A:大河ドラマに宗尊親王が登場するのかと感激したのを覚えています。その表情や語り口が絶妙でした。吹越さんは以降、何作か大河ドラマに出演されていますが、宗尊親王のインパクトはいまだに忘れられません。
I:いったいどんな毛利輝元を演じてくれるのか? 楽しみですね。
【上杉景勝と直江兼続主従も登場。次ページに続きます】