上杉景勝と直江兼続主従も登場

上杉景勝を演じる津田寛治さん。(C)NHK

I:関ヶ原合戦といえば、その前段での会津攻めでかかわってくるのが上杉景勝と直江兼続主従。2009年の大河ドラマ『天地人』では、景勝=北村一輝、兼続=妻夫木聡のコンビでした。『どうする家康』では景勝に津田寛治さん、兼続にはダンサーとして世界的な知名度を持つTAKAHIROさんという布陣になりました。

A:津田寛治さんは、

監督さんとお話を重ねるうち、野性的で骨太な一面を持つ武将であることが浮き彫りになりました。荒々しくもそれだけではないクレバーな一面を持つ景勝を目指しました。

とコメントを寄せてくれました。上杉家は謙信時代の本拠越後からこの時期は会津に所領を持ち、関ヶ原の後に米沢に移ります。その変遷にも思いを馳せながらドラマを楽しんでほしいですね。

I:兼続役のTAKAHIROさんが、ほろりとするお話を寄せてくれました。TAKAHIROさんは、2012年の『平清盛』では舞踏シーンの振付を担当するなどスタッフとして大河ドラマにかかわってきた経験があります。『平清盛』の際に「一風変わった村で踊られる舞の創作」のオファーがあったそうです。TAKAHIROさんのお話をどうぞ。

『平清盛』で「一風変わった村で踊られる舞の創作」をした時の事です。「こんな踊りがあったらドラマとして面白くない!?」という発想からのオファーなのかと思ったら違いました。「あの時代、隣の国から海を渡り集落を形成し独自の文化を形成した村がありました。そこではカマキリ舞と言うものが存在する事がわかりました。文献を幾つも調査しここまで判明しましたがここで行なわれた舞の手法は見つからなかった。なのでこの部分を創作したい。この場所の地形は……文献から想定される衣装は……手には……」と、とても繊細に歴史を愛し文学して、そこから生まれるロマンの上で作品が成り立っていることを知りました。今回の『どうする家康』も同じくです。リアルとロマンの追求が大河スタッフの魅力だと思っております。

A:リアルとロマンの追求っていい言葉ですね。ぎりぎりまでせめぎ合った結果、すべっちゃう可能性もあるわけですが、ぎりぎりの攻防については支持したいと思います。

ダンサーのTAKAHIROさんが直江兼続に抜擢された。(C)NHK

宇喜多秀家と小早川秀秋の物語

宇喜多秀家を演じることになった栁俊太郎さん。(C)NHK

I:そして、豊臣五大老のひとりである宇喜多秀家にキャスティングされたのが、栁俊太郎さんです。五大老は、徳川家康、前田利家、毛利輝元、上杉景勝という錚々たる面々の中に20代の宇喜多秀家が入っているわけですからね。よっぽど秀吉のお気に入りだったのでしょうね。

A:私は、関ヶ原合戦後の宇喜多秀家と正室豪姫、加えて豪姫実家の前田家のエピソードが大好きです。そんなところまで描いてくれたらうれしいです。そして宇喜多秀家は、関ヶ原に参陣した武将の中でもっとも長寿を保ちます。そんなことも覚えておいてドラマを見てほしいですね。

I:最後に、小早川秀秋にキャスティングされたのが嘉島陸さん。『江 姫たちの戦国』で徳川秀忠の竹千代時代を演じて、大河ドラマ経験済みだそうです。裏切り者のイメージが強い小早川秀秋ですが、本作ではどういう人物像を描いてくれるのでしょうか。

A:宇喜多秀家も小早川秀秋も秀吉の養子として期待されていましたが、秀頼が生まれたため人生が流転した口です。そうした悲劇が描かれるのか、描かれないのか。個人的には、一度、小早川秀秋が家康の陣に攻めかかるストーリーを見たいのですが……。

I:それは言ってはいけないところではないですかね(笑)?

A:さて、新キャストの皆さんからほっこりさせられたコメントを紹介したいと思います。

まずは、宇喜多秀家役の栁俊太郎さん。

大河ドラマに出るということは役者をスタートしてからの目標のひとつでもありましたし、小さい頃から祖父母とともによく拝見していたので、とても感慨深く思います。『新選組!』や『篤姫』などがとくに記憶に残っています。

A:祖父母といっしょに大河ドラマをよく見ていたというのは、わりと頻繫に演者の方から出てくるコメントです。私もまだまだ先になりますが、孫と大河ドラマを見たいですね。

I:直江兼続役のTAKAHIROさんも大河ドラマへの出演が決まったことに対して、

大河ドラマが大好きだった亡き父と祖父の喜ぶ顔が心に浮かんで幸せでした!

とコメントを寄せてくれました。

A:ドラマの中での人間模様にも注目なのですが、演者の方々の人間模様にもなんだかほろりとさせられますね。

嘉島陸さんが演じる小早川秀秋も楽しみ。(C)NHK

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。

●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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