はじめに-結城秀康とはどんな人物だったのか?

結城秀康は、越前国福井藩の初代藩主であり、徳川家康の次男にあたる人物です。家康の側室・お万の方との間に生まれた秀康ですが、兄の信康や弟の秀忠とは違い、数奇な運命を辿ることになります。

家康の血を引くものの将軍にはなれず、豊臣家に養子に出されている秀康。実父である家康から愛されなかったかわいそうな息子として描かれることが多いですが、実際の結城秀康はどのような人物だったのでしょうか? 史実をベースにしながら、紐解いていきましょう。

2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』では、豊臣家の人質として育った、文武両道な家康の次男(演:岐洲匠)として描かれます。

目次
はじめに―結城秀康とはどんな人物だったのか?
結城秀康が生きた時代
結城秀康の足跡と主な出来事
まとめ

結城秀康が生きた時代

結城秀康は、天正2年(1574)に生まれます。家康と側室・お万の方との間に生まれた徳川家の次男ですが、家康から歓迎されることはなかったそうです。理由として、お万の方が家康の正室・築山殿の侍女であったからというものや、当時は歓迎されなかった双子として生まれたからという説があります。

家康から冷遇されていたとされる秀康。徳川家の次男でありながら、ほかの兄弟とは全く異なる人生を歩むこととなるのです。

結城秀康像(子孫所蔵)

結城秀康の足跡と主な出来事

結城秀康は、天正2年(1574)に生まれ、慶長12年(1607)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。

不遇な幼少期を過ごす

秀康は、天正2年(1574)、家康と側室・お万の方との間に生まれました。お万の方は家康の正室・築山殿の侍女だったため、夫の子を妊娠したことに激怒した築山殿が、彼女を折檻したという逸話が残されています。

そのような経緯もあり、秀康の誕生は周囲からあまり歓迎されなかったそうです。実父である家康も、秀康に冷たく当たりました。秀康の幼名は「於義丸(おぎまる)」として知られていますが、この名は家康が彼の顔を一目見た時、「顔がギギという魚(ナマズの一種)に似ていて気味が悪い」と思ったことが由来とされています。

また、家康は幼い秀康に会いに行こうとすらしませんでした。兄の信康は弟を不憫に思い、家康を懸命に説得して面会させたそうです。家康にとって、秀康は本妻の侍女との間に出来た不義の子という認識だったのかもしれません。しかし、幼少期の秀康は、父親から愛されないことを寂しく感じていたのではないでしょうか……?

豊臣家の養子となる

「本能寺の変」から2年後の天正12年(1584)、家康と手を組んだ織田信長の次男・信雄と豊臣秀吉の間で「小牧・長久手の戦い」が勃発します。戦いは膠着状態となり、両者が和議を結んだことで終結することに。その際、和解の証として秀康は豊臣家に人質として送られます。

秀吉は人質だった秀康を養子として迎え入れ、「秀」の字を与えるなど、彼を大変可愛がったそうです。その一方で、周囲は秀康のことを徳川家から送られてきた人質として下に見る者も少なくなかったとされます。

しかし、秀康はこれを許しませんでした。秀康が京都の伏見にあった馬場で馬を走らせていた際、徴発してきた秀吉の馬係を無礼討ちにしたという逸話が残されています。話を聞いた秀吉は、秀康の威厳を褒め称え、不問にしたそうです。秀康の胆力と、彼を思う秀吉の気持ちを垣間見ることができる逸話と言えるでしょう。

福井県庁(福井城跡)敷地内にある秀康の石像 
秀康が結城家に養子に出された後も、秀吉との間には強い絆があったそうです。

天正15年(1587)の「九州征伐」で初陣を飾り、天正18年(1590)の「小田原攻め」にも従軍するなど、秀吉のもとで功績を積み重ねた秀康。しかし、天正17年(1589)に秀吉の実子・鶴松が生まれ、彼が秀吉の後継者に指名されたため、秀康は再び養子に出されてしまいます。

秀康が養子として向かった先は、家康配下の結城晴朝(ゆうき・はるとも)のいる下総国(現在の千葉県)でした。こうして秀康は、図らずも徳川大名として生きることとなったのです。

「関ヶ原の戦い」に出陣、上杉氏と一戦を交わす。次ページに続きます

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