I:ところで、家康と家臣団の合流先になっていた白子(三重県鈴鹿市)に行ったことがあります。伝統工芸の伊勢型紙で知られていて、今は静かな海辺の町。もともと伊勢平氏水軍白児党の拠点だったことから古くから港が開けていた。白子の名も白児党からといいます。

A:そうですか。白子には行ったことがありません。大河で取り上げられたタイミングで行かねば、一生縁がなかったかもしれません。

I:神君伊賀越えの碑や、家康が潜んでいたと伝承される場所がありました。伊勢型紙作り体験、楽しかったですよ。

織田家の出世頭 光秀と秀吉はどう描かれたのか?

明智光秀(演・酒向芳)の最期。(C)NHK

I:今週の光秀(演・酒向芳)もなんだかはじけていましたね。酒向芳さんの熱演がなんだか癖になりそうで……ちょっと怖かったりします(笑)。

A:〈腐った魚を口に詰め込んで~〉という台詞に続いて今週は〈逃げる三河の白うさぎ、焼いて食おうか煮て食おうか、皮をはいで塩ゆでか〉という台詞を発していました。香の煙を吸引する場面は、酒向さんが『検察側の罪人』で演じた松倉重生を想起させる場面でした。視聴者の中には、『検察側の罪人』で酒向さんが目を見開きながら「ンパッ」と発した奇声が光秀から飛び出すのではないかと期待した人もいたのではないでしょうか。

I:いやいや、さすがにそれはないでしょう。いくらなんでも(笑)。でも『麒麟がくる』で従来の光秀とは異なる「善玉光秀」が主人公となってからわずか3年。当時小学4~5年生で『麒麟がくる』を見ていた子供たちが混乱しませんかね。

A:これもまた修養でしょう。立ち位置を変えれば人の印象はずいぶん変わるということを知ってほしいです。そして、「本当の悪」はその人が「悪」であることを悟られることなく「善人」として一生を終えるということを歴史から学んでほしいですね。

I:ところで、本能寺の変からわずか11日で光秀は討たれたわけです。

A:〈今までで一番ええ顔しとるがね〉と秀吉(演・ムロツヨシ)が討ち取られた光秀の首を見ながら言いましたが、秀吉と光秀の熾烈な出世レースを知れば、これは最高の台詞でしたね。なんか、現代でもありそうですよね。出世レースに敗れて落ちこむ同僚に「今までで一番いい顔してるな」って言い放つとか。

I:そう考えると、秀吉の台詞っていやらしく感じますね。しかもこの台詞を発しているときのムロツヨシさんの表情が大河ドラマ史に残るいやらしさでした。

A: そうですね。私はこの時の秀吉の表情もカレンダーにしてほしいくらいです。さて、明智光秀が討ち取られ、いよいよ織田家の跡目を誰がとるのか――という展開になります。

I:織田家、どうなるのでしょうか。

嶋田久作さん扮する存在感ある伊賀の土豪、百地丹波。(C)NHK

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。

●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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