編集者A(以下A):最終回放送日の12月18日(日)に、『鎌倉殿の13人』のグランドフィナーレが鎌倉女子大講堂で開かれました。小栗旬、小池栄子、山本耕史、宮沢りえ、菊地凛子、宮澤エマ、坂口健太郎という豪華メンバーが集結しました。当日会場に集まったのは1030人。応募は7万通以上あったといいますから、相当な倍率だったことになります。
ライターI(以下I):はい。
A:イベントが始まる前にメディア向けの会見がありましたが、そこに登場した実衣殿(演・宮澤エマ)の赤いドレス姿を見て、ハッとしました。
I:あ、全成殿(演・新納慎也)は劇中で実衣に〈赤い色がよく似合う〉と言っていて、全成が処刑される際にも、自らの赤い血を見て〈実衣~〉と叫ぶ切ないシーンがありました。全成・実衣夫婦を象徴する赤色のドレスでの登場は、ジーンときました。
A:そうです。しかも全成役の新納慎也さんは自身のTwitterアカウントで〈#天国の全成の声〉を発し続けていました。ご自分の出演を終えた後も積極的に絡んできてくれるのは、大河ファンにとってはほっこりするところでしたが、そうした流れの中で、グランドフィナーレでの「実衣殿の赤いドレス」です。溢れんばかりの『鎌倉殿の13人・愛』に触れて、ちょっと感動しました。
I:トークイベントの様子は12月27日(火)に放映されるんですよね。
A:そうなんです。ですから、その場でどんなやり取りがあったかはここでは控えたいと思います。
今年の総集編は見どころ満載だ
A:さて、大河ドラマは年末の12月29日(木)に総集編を放映します(31日、1月2日も放送)。子供のころはこの総集編が楽しみでしたが、『鎌倉殿の13人』は久しぶりに総集編が特に楽しみな作品になりました。総集編のことを考えながら、この満喫リポートを最初からちらちら見直してみましたが、このドラマは面白かった! というのを再確認することができました。
I:そういうの「手前みそ」っていうんですよ。でも、振り返りついでに、総集編の見どころを兼ねて、満喫リポートについても振り返ってみましょう。
A:まずは、第1回の放映前に配信した「楽しめて学べる「王道大河」。北条義時から徳川家康へ。壮大なる「歴史叙事詩」が始まる」(https://serai.jp/hobby/1056634)から。
I:『鎌倉殿の13人』と『どうする家康』は、2年にわたる歴史叙事詩になるって言っていますね。
A:『鎌倉殿の13人』最終回冒頭で、『吾妻鏡』を読む徳川家康役の松本潤さんがサプライズ登場しました。2年に渡る歴史叙事詩であることを追認してもらったようで、なんだか嬉しかったですよ。
I:第4回の「頼朝が発した坂東武士への甘言と御籤占い。『吾妻鏡』を基にした“挙兵前夜”が面白い!」(https://serai.jp/hobby/1059166)では、御籤など「中世的な世界観」が強調されていることを指摘しています。
A:第4回の劇中では頼朝の〈嘘も誠心誠意つけばまことになるのだ〉という台詞が登場しました。第10回の「ウルトラ兄弟を彷彿とさせる「集結した源氏五兄弟」。兄頼朝とのやり取りは、大河史上屈指の名場面になった!」(https://serai.jp/hobby/1065068)では、こんなやり取りをしていました。
A:頼朝、範頼、全成、義経の「源氏四兄弟」集結時のやり取りは、60年以上続く大河ドラマの歴史の中でも屈指の名場面になったと感じています。大げさではなく、この時代の、あるいは源氏のファンの方々にとっては、涙を禁じ得なかったという人もいたのではないでしょうか。土佐の希義(まれよし)が鎌倉に来ていたら……私は改めてそう思ったりしました。
I:〈こうやって兄弟が揃うのはうれしいものだ〉という頼朝の言葉は本音でしょうね。
A:そう思いたいです(しみじみ)。しかし、義経が範頼に対して〈そちら(の母)は確か遊女でしたよね〉と、直球過ぎる言葉を発したり、頼朝が平治の乱後に兄弟そろって清盛と面会した時のことを回想したりと、「大河でこんなシーンが見られるとは!」という思いです。
I:私は第13回の「源頼朝〈現実逃避の女性通い〉の背景にあった奥州の秀衡、西の平家、そして、木曽義仲という関東緊迫情勢」(https://serai.jp/hobby/1067646)では全成、実衣、文覚の読経合戦が印象深かったです。満喫リポートの引用をどうぞ。
A:文覚と全成、さらには実衣の読経合戦は異様な光景で、声を出して笑ってしまいました。親御さんと視聴している小学生の子供たちにはインパクトがあったのではないでしょうか。わが国初の武家政権がどのようにできたのか、中世とはどのような時代だったのか、強く印象づけられたと思います。
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