「あれ? なんていう漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めてしまって、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第82回は、「発条」をご紹介します。「発条仕掛け」や「発条秤」などの使い方で、耳にしたことがある言葉なのではないでしょうか。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「発条」はなんと読む?
「発条」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「はつじょう」とも読みますが……
正解は……
「ぜんまい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「弾力性に富んだ帯状などの鋼を、渦巻き状に巻いたばね」と説明されています。巻き締めて、そのほどけようとする力を動力として利用する機械です。時計や玩具などに使われています。
また「発条」と書いて「ばね」とも読みます。この場合は、上記の意味に加え、「足腰などの弾力性」や比喩的な意味での「行動を起こすきっかけ」といった意味が含まれます。
「発条」の漢字の由来とは?
「発条」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「発」は「跳ねること」を意味し、「条」は「細長いもの」の意味で、弾力性のある線状の金属を表しています。
「発条(ぜんまい)」の語源は諸説ありますが、機械の渦巻き状の形状が、シダ植物の「ぜんまい」の芽に似ていることから名付けられたとされています。
ちなみに、シダ植物の「ぜんまい」は漢字で「薇」または「紫萁」と書きます。
「ばね」の由来は?
「ぜんまい」の由来は、その形が植物のぜんまいに似ているからだと確認しました。では、「発条」のもう一つの読み方である「ばね」はどうでしょうか。
この言葉は、「はねる(跳ねる)」の名詞形「はね(跳ね)」が変化したか、「はねる(跳ねる)」が「ばねる」と音変化して名詞化した語だと考えられています。「跳ねる」という語自体は「放す、離れる」などと関係するため、「ばね」は、「元々あった場所から急に移動するもの」という意味が原義とされています。
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いかがでしたか? 今回の「発条」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字一文字ずつに込められた意味と読み方を結び付けると、忘れにくくなるのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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