歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第73回は、「細雪」をご紹介します。小説のタイトルとしても有名な言葉です。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「細雪」はなんと読む?
「細雪」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「ほそゆき」ではなく……
正解は……
「ささめゆき」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「こまかい雪、まばらに降る雪」と説明されています。谷崎潤一郎の小説『細雪』は、登場する四人姉妹のうちの三女・雪子の名からこのタイトルがつけられた、とされています。
「ほそゆき」「さいせつ」などではなく、「ささめゆき」という読み方が特徴的です。続いて漢字の由来を確認していきましょう。
「細雪」の漢字の由来とは?
「細雪」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「細」は「かすかな~」、「雪」は地上へ降る「雪」という意味です。そのため、「細雪」と書いて「こまかい雪、まばらに降る雪」を指します。
「細雪」(ささめゆき)は、この二字の漢字の組み合わせに読み方が当てられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。そのため、当然「細」という字単体で「ささめ」と読むことはできません。
「細雪」の他にも… 様々な雪の名称
「細雪」の他にも雪の降る様子に応じて、様々な雪の名称がつけられています。そのうちのいくつかをご紹介します。
「小米雪」(こごめゆき)は「小米の粒のように細かく、さらさらと降る雪」を指します。「斑雪」(まだらゆき)は「まだらに降り積もった雪」の呼び方です。「雪の結晶が集まり、ふっくらとした雪」は「牡丹雪」(ぼたんゆき)と呼ばれます。
こうした名前を聞くだけで、雪の降る様子や状態が自然と想像できます。また、雪の名前を学べば、小説や歌詞の情景を一層深く感じることができるのではないでしょうか。
***
いかがでしたか? 今回の「細雪」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 地域などによる違いはありますが、降雪の多い時季が近づいてきました。降る雪の名前から風情を感じるのも、冬の楽しみ方の一つかもしれません。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/