参拝の証である御朱印。神仏への敬いを忘れず、礼儀正しくお願いしたい。
参拝の証として拝受する
今日の形式の御朱印は、社寺への納経の証として押印されていたものが起源といわれる。そうした歴史をふまえて、多くの社寺が参拝の証として御朱印を授与している。参拝者はまずは神仏に拝し、祈りを捧げることが第一義だ。その上で、御朱印を拝受したい。
授与所での混雑を避けるため、事前に御朱印帳を預けてから参拝を促す社寺もある。社寺の案内に従って御朱印を拝受しよう。
御朱印帳を開いて渡す
御朱印帳を渡す際には、希望するページを開いて渡すのが好ましい。書き手の手間を省くほか、前ページの墨が滲んでいるなどして避けたいページがあるとか、参拝順とは異なる順番に書いてほしいといった意思を明確に伝えよう。
御朱印料を納める
御朱印をいただく際の料金は、一般的に神社では「初穂料」、寺では「納経料」「志納料」などと称する。
額は社寺による。多くは300円ほどだが、彩色を施したり図柄のあるもの、期間限定のものなどは金額設定が異なる場合がある。
崇敬の念をもち振る舞う
御朱印はお守りなどを授与する授与所や社務所、寺務所などでいただく。業務の妨げにならぬよう、 御朱印の拝受を申し出たい。
社寺により、御朱印帳の種類によっては受け付けないところもある。朱印よりも小さな豆本のような帳面や、和紙ではない紙を使ったノート型などは平らに開けず書き損じの恐れがあるためだ。確認してから渡すのがいいだろう。
初穂料または志納料は事前に納めるところもあれば、帳面の返却時に納めるところもある。
専門の書き手がいる社寺もあるが、多くの場合、神職や僧侶が祈祷や神事などを行なう傍らで御朱印を授与している。すぐにいただけないこともあれば、神職や僧侶が不在の場合もある。それもまたご縁と思い受け入れよう。
崇敬の念あっての御朱印だ。感謝の気持ちを忘れず、丁寧に受け渡しするよう心掛けたい。
コロナ禍対応に協力する
新型コロナウイルス感染症が広がりをみせる現在、御朱印帳や初穂料、志納料の直接的な受け渡しを避けるために、あらかじめ和紙に墨書、押印した書き置きの御朱印で対応したり電子マネーを導入する社寺が増えている。感染症拡大防止のために協力しよう。書き置きは御朱印帳に糊などで貼る。
サライ5月号の特別付録は サライ謹製『御朱印帳』
聖徳太子1400年遠忌にあたり、ゆかりの国宝『灌頂幡』をあしらった御朱印帳を作製しました。持ち歩きやすく、開きやすい仕様なので、社寺巡りの際にご活用ください。
国宝『灌頂幡』の精緻な金銅の細工をあしらった表紙
題字を書く白地枠
書きやすい台紙
水平に開くかがり糸綴じ
取材・文/平松温子 撮影/安田仁志、田中麻以 撮影協力/天祖神社
※この記事は『サライ』本誌2021年5月号より転載しました。