渋沢史料館に渋沢栄一を訪れる

渋沢栄一に纏わる資料や遺品を旧邸内の所縁の遺構とともに紹介

晩香廬の外観。「晩香」は栄一がよく詠んだ漢詩「菊花晩節香」に由来。大正6年(1917)の竣工。丈夫な栗材で造られ、内部の暖炉、薪入れや机、椅子なども洗練されている。
青淵文庫の外観。「青淵」は栄一の号。大正14年(1925)竣工の書庫で接客にも使用した。蔵書は東京都立中央図書館に寄贈。

渋沢栄一の生涯と活動を全体的に知るには、飛鳥山公園内にある渋沢史料館もお勧めだ。栄一の別荘だった「曖依村荘」の跡地にあり、開館は昭和57年。昨年11月にリニューアル・オープンしたばかりで、栄一の生涯にまつわる資料を展示するほか、コンサートや講演会などを開催している。

運営する渋沢栄一記念財団の前身は、明治19年(1886)に栄一の書生たちが結成した「竜門社」。いまも機関誌『青淵』を発行するなど、栄一の研究とその発信に努めている。

旧邸内には栄一の書庫だった青淵文庫と洋風茶室の晩香廬が保存されている。ともに重文で、栄一の思いに触れることができる。

渋沢史料館
住所:東京都北区西ヶ原2-16-1 電話:03・3910・0005 開館:「渋沢史料館」「晩香廬」「青淵文庫」の見学は予約制。入場料:300円 注:開館時間が月によって変わるため、予約の詳細はHPでご確認ください。https://www.shibusawa.or.jp/museum/guide/
同敷地内にある旧渋沢庭園は3月~11月:9時~16時30分、12月~2月:9時~16時、無料
JR京浜東北線王子駅南口より徒歩約5分。都電荒川線飛鳥山下車、徒歩約3分。

新一万円札の顔・渋沢栄一を手にする

2024年度に一新される一万円札の顔は渋沢栄一に

表に渋沢栄一、裏に東京駅をデザインした新一万円札。渋沢の顔は、日本の紙幣では初めて採用された。

渋沢栄一は初代の紙幣頭(後の印刷局長)を務めた。過去にも何度か紙幣の候補になったことがある。昭和38年(1963)の千円札発行のときは、最終選考に残ったが、伊藤博文に決まった。落選の理由は、栄一の肖像に偽造しにくい髭がなかったからだという。

かつて栄一の肖像を載せた紙幣があった。明治35年(1902)、栄一経営の第一銀行が、栄一の顔を載せた第一銀行券を当時の朝鮮半島で発行したのだ。

今回は渋沢のほかに、津田梅子の五千円札、北里柴三郎の千円札が発行される予定だ。

取材・文/田中昭三

※この記事は『サライ』本誌2021年2月号より転載しました。

 

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