そして、徳川家康が光秀に相談の怪

I:ところが、後半になって光秀に対して、家康(演・風間俊介)が驚くべき相談をします。いわゆる「松平信康事件」がこの段階でぶち込まれてきました。

A:家康の正室築山殿と嫡男信康が甲斐の武田方と内通しているため、信長に殺せと命じられたという展開でした。〈信長様に殺せといわれる筋合いはない〉と怒りを顕わにしましたね。ちなみに信康の正室は信長息女の五徳ですし、信康の「信」の字は信長の偏諱という関係です。

I:折も折り、2年後の2023年の大河が『どうする家康』に決まったと報じられたばかりですが、今週は、「何やってるんだよ家康」という印象でした。信長が岡崎にわずかな供廻りで鷹狩に来た際に、家康の家臣らが〈今なら討てます〉と進言したということも暴露します。自らの家に降りかかった災難を光秀に相談する体で、義昭同様に暗に信長を討ってほしいと懇願しているともとれました。

A:確かに、そうとも感じ取れます。ということは、正親町天皇や将軍義昭に加えて、家康までもが暗に信長を討つべしと訴えているということですね。これは大変なことだ。皆、自らの手を汚さずに、光秀をけしかけているかのようです。

I:ところが、次週予告で帰蝶(演・川口春奈)の衝撃的な台詞が飛び出しました。

A:えー!!という感じでしたね。続きは後半戦で話しましょう。

信長(演・染谷将太)と敵対関係にある将軍義昭に会いに行った光秀の心の中には、大いなる迷いがある。

衝撃の予告編! 本能寺の変 まさかの帰蝶黒幕説なのか? 敵対化する光秀と秀吉、そしてついに信長が光秀に暴力を振るった!【麒麟がくる 満喫リポート】後編に続きます。

●ライターI 月刊『サライ』ライター。2020年2月号の明智光秀特集の取材を担当。猫が好き。
●編集者A 月刊『サライ』編集者。歴史作家・安部龍太郎氏の「半島をゆく」を担当。初めて通しで視聴した大河ドラマは『草燃える』(79年)。NHKオンデマンドで過去の大河ドラマを夜中に視聴するのが楽しみ。 編集を担当した『明智光秀伝 本能寺の変に至る派閥力学』(藤田達生著)も好評発売中。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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