正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。
「脳トレ漢字」第24回目は、「傀儡」をご紹介します。「『麒麟がくる』に登場する足利義昭は、織田信長の「傀儡」政権だった」といった表現でも用いられる漢字です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「傀儡」はなんと読む?
「傀儡」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「傀儡政権」「傀儡国家」という言葉で耳にしたことがあるかもしれません……
正解は……
「かいらい」です。
加えて、「くぐつ」とも読みます。『小学館デジタル大辞泉』では、「操り人形、くぐつ、でく」と説明されています。さらに人に当てはめると「自分の意志や主義を表さず、他人の言いなりに動いて利用されている者、でくの坊」のことでもあります。操り人形は、手で直接動かしたり、糸や棒などで関節的に動かしたりする人形です。それになぞらえて、他人の思うままに手足を動かされている人を、「傀儡」と呼びます。
■「傀儡」の漢字の由来とは?
「傀儡」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「傀」とは、「操り人形、くぐつ」を意味する漢字です。そして「儡」も同様に「人形、操り人形」のことを指します。この漢字であることから「傀儡」とは、「他人の思うままにあやつられる者」を意味していると言えます。
■「傀儡」の歴史、その広まり
「傀儡」は、もともと中国語で「操り人形」のことを指す言葉でした。それが日本に伝わると、平安時代以降、木で作った人形・木偶(でく)を操る芸人が生まれました。その芸人たちは、「傀儡回し」「傀儡師」と呼ばれ、彼らの旅とともに「傀儡」という言葉も一般化していきました。
日本の伝統芸能には、人形芝居や人形浄瑠璃 文楽など、操り人形を使ったものが現代も息づいています。それらの源流として、この傀儡師が位置づけられています。そのため傀儡師は、「日本で初めての職業芸能人」であると言えます。
***
いかがでしたか? 今回の「傀儡」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 類語である「木偶」や「手先」なども合わせて覚えておくと忘れにくいでしょう。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/