コロナ禍で、マスクをはずさない時間が長くなっていませんか? また年末年始、ビールやワインなどアルコールを飲む機会がいつもより多くなっていませんか? その場合、こまめに水分補給をしていないと、脱水になる可能性があります。冬だからと水分補給を怠っていると陥る、冬の隠れ脱水についてお伝えします。
人間は20%水分を失うだけで命の危険が
夏は熱中症予防のために、意識して水分を摂っていた人が多いと思います。けれど、冬になった今はどうでしょうか?
日本人は、平均的に水分摂取量が少ないといわれています。(※1)
どうしてそんなに水分摂取が大事かというと、人間は20%水分を失うだけで命の危険があるからです。
人間は水分を5%失うだけで、脱水症状や熱中症などの症状が。水分を10%失うと、筋肉の痙攣、循環不全などが起こります。また、脳梗塞や心筋梗塞なども、水分不足がリスク要因の一つであると指摘されています。(※1)
1日にあと2杯多く飲むことを心がけよ
人間には、1日に2.5Lの水が必要だと言われています。
なぜ2.5L必要かというと、人間の1日の水分排出量が2.5Lと言われているからです。(ただし、個人によって異なります)
尿や便より「1.6L」、呼吸や汗より「0.9L」排出し、食事から「1.0L」、体内で作られる水から「0.3L」、飲み水から「1.2L」摂取していると言わています。(※2)
「1日2.5L」といっても、今、自分が摂取している水分量を把握することは容易ではありません。
そこで、厚生労働省は「健康のため水を飲もう」推進運動の中で、「1日にあと2杯多く飲むこと」を勧めています。
日本人の多くが水分不足気味なため、平均的にはコップの水をあと2杯飲めば、1日に必要な水の量をおおむね確保できるそうです。
高齢者はアルコールの飲み方にも注意!
特に高齢者は、水分をこまめに摂るように心がけましょう。
高齢の場合、脱水が進んでも、のどの渇きが起こりにくくなります。そのため、水分補給をする回数が減ってしまいます。
実は、のどの渇きを感じた時点で、すでに軽い「脱水」の状態にあります。のどが渇いてから飲むのでは、もう遅いのです。のどが渇く前に水分補給をすることが、とても大切です。
水分が不足しやすい就寝の前後、運動の前後や途中、入浴の前後に飲むといいでしょう。
さらにアルコールを嗜む人は、注意が必要です。
アルコールには利尿作用があるため、いつもより尿の量を増やしてしまいます。ビールを10本飲むと、11本分の水分が尿として排出されます。(※2)
アルコールは水分補給に適さないばかりか、かえって脱水を招く結果に。アルコールを嗜む際は適量にとどめ、水をこまめに飲むようにしましょう。
ほかにも、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなど、カフェインを多く含む飲み物にも利尿作用があります。飲む量に気をつけましょう。
また、甘い飲み物は糖質を多く含んでいるので、水分補給には向きません。
こまめに飲む場合は、水やお茶を選ぶといいですね。
※1 厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動
※2 環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」P31−32
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
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