文/中村康宏

栄養補給や健康維持のために、各種サプリメント(以下、サプリ)を日々摂っている方も少なくないでしょう。そんな方に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。サプリはコンビニやスーパーで手軽に手に入れられますが、使い方を間違えば効果がなくなるだけではなく、体に害を及ぼすこともあるのです。

サプリの効果を最大限に引き出すためにも、サプリについて知っておくべき基本事項と、飲むなら心がけておくべき5つのことについて解説いたします。

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「サプリメント(以下、サプリ)」は、アメリカでは「アミノ酸、ビタミン、ミネラル(微量元素)、ハーブ、酵素などを一種類以上含む栄養補給のための製品」と定義されていますが、日本では「食品」として分類され、「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と定義されています(参考文献※1)。

病院で処方されるものと同じ成分のサプリも市販されていますが、有効成分の含有量が異なります。これは、栄養素の補足を目的とする「サプリ」と、病的栄養不足の治療を目的とする「医薬品」との用途の違いによるものです。

また、サプリと医薬品の中間に「栄養機能食品」というカテゴリーがあり、有効成分の含有量に応じて呼び方が変わるのです(参考文献※2)。

そんなサプリは、栄養素が足りていない場合に、必須栄養素を補う上で有効な手段となります。具体例としては、「ビタミンD」や「カルシウム」は骨を強くして骨が脆くなることを防ぎ、妊婦が「葉酸」を摂取することで先天性奇形を減らすことができ、魚油から取れる「オメガ3脂肪酸」は心臓病を防ぐ効果がある、といったところがよく知られているでしょう(※3)。

多くのサプリは、良くも悪くも体に変化をもたらす物質を含んでいます。そのため、サプリを服用する時は、予期せぬ副作用が起こる可能性があることを知っておく必要があります。とくに、サプリを処方薬と一緒に飲む時や、様々な種類のサプリを合わせて摂取する時に、副作用が起こりやすいのです。

具体例としては、以下のようなことが知られています(参考文献※3)

・ビタミンKは血栓予防の薬であるワーファリンの血中濃度を低下させ、期待した効果を減弱させる。

・あるハーブ(セントジョーンズワート) は、様々な薬(抗うつ薬や避妊ピルなど)の代謝を早め、薬の効果を減弱させる。これは、麻酔薬の効き方にも影響を与え、手術前後で服用すると死に至る可能性さえある。

・抗酸化サプリであるビタミンCやEは、ある種の抗がん剤の効果を減弱させる。

アメリカでは「アメリカ食品医薬品局(FDA)」が、日本では「厚生労働省」が、サプリの品質基準を定めていて、それを基準に、有害成分が含まれていないか、有効成分の量が適切か、ラベリングに問題はないか、適切に梱包されているか、などがチェックされています。さらに、定期的に工場の検査や商品の抜き打ち検査も行なわれています(参考文献※2、※4)

また、FDAや厚生労働省などの公的機関の他に、独自の品質・製品管理基準で製品を評価する民間会社が存在し、多くの製品が国と民間の二重のチェックを受けているのです。(ちなみに、これらの基準は商品に効果があるかどうかを判断するものではありません)

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