サプリ摂取に際し注意すること
実はサプリの有効成分は、通常の食事にも含まれていることが多いのです。だから食事と合わせて服用した結果、想定以上の量を摂取することとなり、サプリや他の薬の効果が減弱したり、副作用を起こす可能性もあるのです。
例えば、ビタミンAの過剰摂取は、頭痛や肝障害、骨が脆くなる、といった副作用があります。また、鉄の過剰摂取は、吐き気を催したり、肝臓などの臓器障害を引き起こすことも知られています(参考文献※2)。
また妊娠中や授乳中、子供のサプリ摂取には、特に気をつけなければいけません。ほとんどのサプリは、これらの人への安全性が十分に確認されていないからです。
サプリを飲む際にとくに心がけるべきは、次の5つの事です。
(1)他の薬剤との飲み合わせに問題がないか、医師に確認してもらうこと。
(2)「自然・ナチュラル」=「安全」ではないことを肝に命じること。
(3)病気の改善はサプリで期待できないので、処方薬の代わりにサプリを内服しないこと。
(4)サプリを開始する前に、それにはどういう効果・危険があるのか、いつ・どのように・どれくらい飲めばいいのか、を知っておくこと。
(5)摂取するサプリについて、薬と同じように記録を残すこと。
以上、今回はサライ世代にも愛用者が多いであろう「サプリ」の基本について解説しました。
サプリは手軽に栄養素を補えることができる便利な商品であるが、その手軽さゆえにリスクが置き去りにされがちです。上記の注意点を守ったうえで、安全に確実に健康増進を実践してください。
もちろん、サプリをたくさん摂取したとしても、健康的な食事には代えられない。あくまでも健康的な生活を送ることを主軸にして、サプリを上手に活用してください。
【参考文献】
※1 DSHEA
※2 厚生労働省
※3 NIH
※4 Pieter A. Cohen, et al. Drug Test Anal. 2016; 8 : 418–23.
文/中村康宏
関西医科大学卒業。虎の門病院で勤務後New York University、St. John’s Universityへ留学。同公衆衛生修士課程(MPH:予防医学専攻)にて修学。同時にNORC New Yorkにて家庭医療、St. John’s Universityにて予防医学研究に従事。