なんだか最近、モヤモヤ、クヨクヨ、イライラすることが多いと感じる人におすすめなのが『マンガ ネコでもできる! 認知行動療法 ニャンだかツラい…がニャンだかタノシい?! に変わる本』(SBクリエイティブ)。認知行動療法の第一人者、精神科医・大野裕先生が解説。さらに、人気漫画家のねこまきさんの漫画でわかりやすく紹介する一冊です。

誰もが持っているネガティブな感情、生きづらさを感じている人も、考え方のクセを知って向き合い方を知れば、こころがスーッとラクになり前向きになれるはず。今回は、「コントロール感覚」についてご紹介します。

著/大野裕、マンガ/ねこまき(ミューズワーク)

笑うとこころが元気になるニャ! 笑う門には福来たる

こころを元気にするためには、自分の行動を通して、楽しみや達成感を感じることが大事です。「笑う門には福来きたる」ということわざがあります。笑顔の絶えない家庭にはいいことが起こるという意味ですが、笑顔の絶えない人にもいいことが起こります。わたしたちは一般に、楽しいから笑う、元気だから動くという「内から外へ」の関係をイメージします。しかし、「外から内へ」という逆の関係もまた大切です。「外」というのは表情や姿勢、行動などです。それが、「内」つまり、こころの状態に影響します。楽しいことややりがいのあることをすると、報酬系という脳の神経システムが刺激されて、意欲が出てくるのです。

からだを動かすと、意欲が湧いてきます。気もちが晴れないからといって、なにもしないで家に閉じこもっていると、ますます気もちが塞ぎ込むので注意しなくてはなりません。笑顔になると気もちが晴れます。いい情報に目が向くようになって、前向きな気もちになってきます。表情が変わると見える景色が違ってくるのです。同じ漫画を厳しい表情で見て読んだときと、意図的に笑顔になって読んだときとでは、笑顔で読んだときのほうが面白いと感じるという研究報告があります。笑顔になると長生きができるという研究もあります。アメリカの大リーグの入団のときの写真で、笑ってる人と笑っていない人のその後の人生を見てみると、笑っている人のほうが7年間寿命が長かったのです。眼輪筋と言われる目のまわりにある筋肉が動いていないつくり笑いの人でも、笑っていない人より3年長生きしていました。

話は少しそれますが、日記によかったことをたくさん書いていた人が、そうでない人よりも長生きしていたという報告もあります。修道女の日記の内容を調べた研究です。修道院は、みな同じ環境で同じ生活をしています。そこで生活していた人たちの日記を調べると、日々のよかったことを多く書いている人のほうが長生きしていたというのです。姿勢によってもこころは変化します。背中を丸めてばかりいると沈み込みがちになりますし、背筋を伸ばして生活していると前向きな気もちになってきます。姿勢をよくして笑顔になって行動すると、こころもからだも元気になってきます。ささやかでいいんです。自分の夢に向かって、好きなこと、やりがいのあること、楽しいことを少しずつ進めていく。そうすると、こころは元気になってきます。

まとめ:外から内への考え方でこころは元気になるのニャ

*  *  *

マンガ ネコでもできる! 認知行動療法 ニャンだかツラい…がニャンだかタノシい?! に変わる本
著/大野裕、マンガ/ねこまき(ミューズワーク)
SBクリエイティブ 1,540円

大野裕(おおの・ゆたか)
精神科医。1950年、愛媛県生まれ。1978年、慶應義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。その後、コーネル大学医学部、ペンシルベニア大学医学部への留学を経て、慶應義塾大学教授(保健管理センター)を務めた後、2011年6月より、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任、現在顧問。現在、一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表、長崎大学客員教授。Academy of Cognitive Therapyの設立フェローで公認スーパーバイザーであり、ベック認知行動療法国際アドバイザー、日本認知療法・認知行動療法学会理事長、日本ストレス学会理事長、日本ポジティブサイコロジー医学会理事長を歴任。2001年から日本経済新聞にてコラム「こころの健康学」を連載、読売新聞「人生案内」執筆中。著書に『こころが晴れるノート』(創元社)、『はじめての認知療法』(講談社現代新書)、『マンガでわかる認知行動療法』(池田書店)、『マンガでわかりやすいうつ病の認知行動療法』(きずな出版)など多数。YouTubeチャンネル・AIチャットボット「こころコンディショナー」配信中。

ねこまき(ミューズワーク)
2002年より、名古屋を拠点にイラストレーターとして活動を開始。コミックエッセイをはじめ、犬猫のゆるキャラ漫画、広告イラストなども手掛けている。著書に『ねことじいちゃん』シリーズ(KADOKAWA)、『まめねこ』シリーズ(さくら舎)、『トラとミケ』シリーズ(小学館)、『しっぽのお医者さん』(日刊現代)、『ケンちゃんと猫。ときどきアヒル』(幻冬舎)、『ちびネコ どんぐり』(ホーム社)などがある。

 

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