冬は脳梗塞や心筋梗塞の死亡数が夏の1.5倍になると言われています。寒くなると、体温を逃がさないようにと血管が収縮してしまうことや、乾燥のため体から水分が奪われやすくなるからだそう。脳梗塞や心筋梗塞の要因のひとつとなるのが、血管にできる血のかたまり、“血栓”です。寒い冬こそ、血栓予防を心がけたいものです。
そこで今回は、『サライ.jp』で紹介した、血栓を予防する方法をまとめてご紹介します。生活に取り入れやすいものが多いので、ぜひ気をつけてみてください。
■1:医学博士が教えてくれる、血栓予防におすすめの4大食品
糖尿病治療の名医であり、生活習慣病の予防にも詳しい医学博士・板倉弘重先生によると、血栓をつくらない&できた血栓を溶かすために積極的に食べたい4大食品は、納豆、玉ねぎ、酢、フィッシュオイル(DHAやEPA)です。
納豆は食べるなら夜、玉ねぎは水にさらさない、酢は毎日大さじ1杯が目安、フィッシュオイルは朝がおすすめなど、効果的な摂取方法も紹介。
■2:身近な食品の塩分を取り過ぎないことで血栓のできにくい体に
血栓をつくらないために欠かせない、高血圧予防のポイントとなるのが塩の使い方です。普段の食事の中で何をどう選ぶか、どう食べるかで大きく変わる塩分量。摂り過ぎないようにするコツを知ることも大切です。
塩分が意外と多いパンよりもご飯を選ぶ、味噌汁は具だくさんにする、ラーメンなどの麺類はつゆを飲み過ぎない、加工食品の塩分に注意するなど、身近な食品の食べ方のコツを伝授。
■3:生活に潜む血栓リスクを上げるものを日常生活から取り除く
血栓予防に大切なのは食事だけではなく、日常生活の習慣などにもあります。なかでも深く関わるのが、タバコ。ニコチンには強力な血管収縮作用があり、タバコの煙に含まれている一酸化炭素は血管壁を傷つけて血栓をつくりやすい状態にするからです。
ほかにも、運動不足や、自動車の排気ガスなどの化学物質、ストレスや睡眠不足も血栓リスクを高める要因です。
■4:血液を流している「血管」を健全に保つ方法
「脳梗塞」は脳の病気だと思われがちですが、正しくは血管の病気です。血管が脆くなったり傷つき、細い血管が切れたり詰まったりすることで引き起こされます。予防するには、血管を強く保つことが重要になります。
『血管が強くなる習慣』(フォレスト出版)の著者である医学博士の栗原毅先生と、歯科医師の栗原丈徳先生によると、日中、心掛けたい習慣としては、1時間座ったら立つ、1日1リットルのミネラルウォーターを飲むこと。これだけでも違うそうです。
1時間座ったら立つ、1日1リットルの水を飲む|「脳梗塞」を予防する『血管が強くなる習慣』
■5:本格焼酎・泡盛には血栓を防ぎHDLを増やす働きが!
「百薬の長」とも言われるお酒ですが、本当は健康に良いのか、悪いのか。飲み過ぎが悪いのはもちろんですが、適量とはどれぐらいなのでしょうか。そんな疑問に答える『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(葉石かおり著/日経BP社)は、医療の専門家25人に取材してまとめられました。
「酒を飲まない人」と「本格焼酎・泡盛を飲んだ人」で比べると、血管内皮細胞から分泌され血栓の溶解にかかわるt-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)やウロキナーゼの活性が倍近くになるそうです。適量は本格焼酎で120ミリリットル程度。
酒は本当に「百薬の長」なのか?『酒好き医師が教える 最高の飲み方』
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文/編集部