冷えたり雨が降ったりすると腰や関節などが痛くなることがあります。
そのメカニズムと対処法について解説します。
この記事を書いている10月上旬では、夏の酷暑が終わり、急に涼しい日が増えてきました。昼間はそれなりに暑くなるけど、朝や夕方以降はけっこう冷えを感じます。
さらに天気も不安定で、雨になる日や、晴れていても急にゲリラ豪雨になったりする日もあります。
このような季節の変わり目は身体も不調をおこしやすく、冷えて雨が降った日の後などは、急に腰が痛い、首を寝違えた、などを訴える患者さんが増えてきます。
それはなぜでしょうか?
冷えや低気圧が痛みを引き起こすメカニズム
冷えや低気圧が痛みや不調を引き起こすのは、次のようなメカニズムです。
・体が冷えると、筋肉や血管を収縮させて血流を抑え、外気に熱を奪われないようにする。
・血管が収縮することで、血行が悪くなる。
・血流が滞ると、酸素や栄養が運ばれにくくなる。
・筋肉や神経が酸素不足になり、痛みを引き起こす。
また低気圧では
・急激な気圧の低下により、発痛炎症物質であるヒスタミンが体内で発生し痛みをおこす
・また、ヒスタミンは神経伝達物質として、交感神経を刺激する
・交感神経は血管を収縮させたり、筋肉を緊張させたりする作用がある
・そのため筋肉や関節周辺では血管は収縮し、血行が悪くなり、疲労物質がたまることで痛み、だるさ、こりなどの不快な症状を感じるようになる
つまり、冷えや低気圧によって血行が悪くなったり、筋肉が緊張したり、自律神経のバランスが崩れたり、発痛物質が生じたりして、痛みや様々な不調をおこす、ということです。
冷えや低気圧の対処法
冷えや低気圧によって腰痛を引き起こさないためには、日常生活で次のような点に注意しましょう。
【身体を冷やさない】
着るものに注意し、また冷房や冷たい床から遠ざかるようにしましょう。
【あたたかい食事】
食事や飲み物はあたたかいものをとるようにしましょう。
ニンニクやショウガを使った料理、辛い物などは身体を温める作用があります。
また、ココアやチョコレートには、毛細血管拡張効果があるといわれるテオブロミンが多く含まれています。
【入浴】
湯船につかり、しっかり身体をあたためましょう。できれば15分以上の入浴をおすすめします。
お風呂につかるのが苦手な場合は、熱めのシャワーに長めにあたるようにしましょう。
とくに痛みを感じる部位にはよくあてると良いでしょう。
【適度な運動】
ゆっくりおこなうストレッチや軽いウォーキングなどは、血行を促進し自律神経を整えます。
【しっかり寝る】
睡眠時間をしっかりと確保しましょう。
睡眠不足は疲労の蓄積や自律神経の機能低下など、それだけで不調の原因となります。
しっかり眠ることで体調を維持することができます。
以上のような対策を行うことで、冷えや低気圧による腰痛を予防改善することができます。
この記事があなたの腰の痛みを改善する一助になりましたら幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
腰痛を解消するためにトレーニングすべき3つの部位とその順番【川口陽海の腰痛改善教室 第120回】(https://serai.jp/health/1149253)
自宅・室内で腰痛改善! 足踏み運動で下半身の筋力アップ!【川口陽海の腰痛改善教室 第118回】(https://serai.jp/health/1143858)
1日5分で腰痛を解消! 寝たままできる効果絶大な5つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第117回】(https://serai.jp/health/1141936)
腰痛・坐骨神経痛の原因は股関節! 股関節トレーニングで痛みを改善【川口陽海の腰痛改善教室 第81回】(https://serai.jp/health/1057841)
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html