ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第95回のテーマは、「歯肉炎からくる口臭で悩んでいる人に『排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)』」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
排膿散及湯はどんな人におすすめ?
まずは、排膿散及湯がどんな人に向いているのか、具体的にご紹介します。
1.痛みをともなう化膿症の人
排膿散及湯は、患部が赤くなり、膨張して痛みを感じる化膿症に用いられる漢方薬です。排膿散及湯は、化膿症状初期の処方「排膿湯(はいのうとう)」と、化膿後期の処方「排膿散(はいのうさん)」を組み合わせた処方で、化膿性疾患に幅広く効果を示します。
2.顔や体のできものが目立つ人
排膿散及湯は、おでき、めんちょうなど、顔や体のできものにも処方される漢方薬です。炎症を鎮め、「排膿」の文字通り膿を排出する効果が期待できます。
3.歯肉炎や、歯周病からくる口臭で悩んでいる人
排膿散及湯は、体のなかから化膿を鎮める効能があり、口臭の原因になる歯肉炎や歯槽膿漏などの炎症・腫れにも対処することができます。
アレルギー反応が出て抗生物質を使用できない場合の歯肉炎治療に使用されることもあります。
排膿散及湯とは?
次に、排膿散及湯の効能・効果や基本的な飲み方をご紹介します。
1.効能・効果
排膿散及湯は、先述のように排膿作用が期待できる漢方薬です。化膿性のある皮膚病、できもの、発赤、腫れを鎮めます。また、歯肉炎や歯槽膿漏などの口腔内の炎症にも対処します。
2.基本の飲み方
排膿散及湯は、食前(食事の約30分前)、もしくは食間(食後約2時間後の空腹時)に水またはぬるま湯で服用します。
排膿散及湯に限らず、漢方薬は用法用量を厳守して服用しましょう。もし飲み忘れた際は、2回分以上をまとめて服用するのは避け、気付いた時点で1回分を飲み、次の服用までは、1日3回の場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上空けてください。
排膿散及湯に副作用はある? 安心して服用するには
排膿散及湯を構成する生薬には甘草が含まれているため、他の薬などとの併用により甘草が重複すると、むくみを生じる、血圧が上昇するなどの副作用が起こる可能性があります。
また、重大な副作用としては、ごく稀にではありますが偽アルドステロン症、低カリウム血症によるミオパチー(筋肉の疾患)が起こる可能性があります。
もし体調の変化や違和感がある場合は、漢方薬の使用を中止し、なるべく早いうちに医療機関で診察を受けてください。
漢方薬は、体質との相性がとても重要といわれます。体質によっては排膿散及湯が有効な場合もあれば、他の漢方薬が適している場合もあります。
体質を見極め、適切な漢方薬を処方するのはとても難しいことです。医師や薬剤師など、漢方を基礎からしっかり学んだプロにお任せするのがもっとも安心といえるでしょう。
最近は、オンラインでも気軽に漢方薬を利用できるサービスが登場しています。とくにあんしん漢方は、スマホ1台で利用できる漢方薬サービスで、最新のAI、漢方の専門家がタッグを組み、あなたに適した漢方薬を選んでくれます。
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●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0171
排膿散及湯は化膿性の症状に最適
排膿散及湯は、化膿性の症状を中心に、歯周病などの改善も期待できる漢方薬です。とくに腫れや赤みをともなう場合は排膿散及湯が適していることが多いので、ぜひ覚えておいてくださいね。
さて、次回は「インフルエンザの漢方薬?『竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)』」です。ぜひご覧ください!
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