写真・文/矢崎海里
醤油麹を食べたことはありますか。
麹と塩を混ぜたものが塩麹に対して、麹と醤油を混ぜたものが醤油麹です。
麹と醤油があれば混ぜるだけで簡単に作ることができるので、家庭で手作りしている方も多い調味料です。
醤油麹は醤油に比べて旨味や甘みが強く、醤油を使用するより少量で味付けできるので減塩にもなります。
今回は基本の醤油麹の作り方と、醤油麹を活用した減塩レシピをご紹介します。
基本の醤油麹のレシピ
【材料】(作りやすい分量)
醤油 100cc
乾燥米麹 50g
【作り方】
1.清潔なびんにほぐした乾燥米麹と醤油50ccを入れ、混ぜ合わせます。そのまま直射日光の当たらない場所で常温で保存します。
2.半日~1日経つと米麹が醤油を吸うため、残りの醤油50ccを加えて同様に保存します。
3.1日1回軽くかき混ぜ、10日~2週間で完成します。
調味料づくりは手がかかるイメージですが、醤油麹は混ぜるだけでできます。
1日1回空気を入れてしっかりかき混ぜてください。
常温で保存することで麹が発酵しやすくなります。
とろみがついてきたら完成の目安です。
完成したら冷蔵庫で保存しましょう。2か月ほど保存できます。
米麹とは米が麹菌で発酵したもので、醤油や味噌などを作る際に欠かせないものです。
発酵することで旨味や甘みが増し、栄養価もアップ。
麹には多くの酵素が含まれていて、旨味のもとであるアミノ酸を増やしたり、栄養素を分解しやすくしたり、消化吸収を助けたりとさまざまなはたらきがあります。
かけたり漬けたりといろいろな料理に活用できますが、今回は醤油麹を使った肉じゃがのレシピをご紹介します。
食塩相当量:醤油麹大さじ1杯あたり1.1g
醤油麹の肉じゃが
【材料】(1人分)
じゃがいも 1個
人参 1/4本
玉ねぎ 1/4個
牛もも肉 60g
水 150cc
★醤油麹 大さじ1
★酒 大さじ1
★砂糖 大さじ1/2
サラダ油 小さじ1
むき枝豆 適量
【作り方】
1.じゃがいも、人参、玉ねぎは一口大の乱切りにする。
2.鍋にサラダ油を熱し、1を炒める。
3.具材に油が回ったら牛肉を加えてさっと炒め、水を加える。
4.あくを取りながら弱中火でじゃがいもが柔らかくなるまで10~15分煮る。
5.★の調味料を加えて、さらに5分ほど煮る。
6.火を止めてうつわに盛り付け、枝豆を散らしたら完成。
こちらのレシピは一般的な肉じゃがのレシピから、醤油を醤油麹に変更したものです。
醤油と同量の醤油麹を加えていますが、醤油を使ったレシピより1人あたり約40%減塩できます。
醤油麹はうま味が強いため、醤油より少量でしっかりと味がつき、まろやかな味わいに。
通常の肉じゃがはだし汁で煮たり、顆粒和風だしを加えたりしますが、今回は麹の旨味を生かして水のみで調理しています。
いつもの肉じゃがも調味料を少し変えるだけで、ぐっとおいしく減塩ができます。
醤油麹は甘みもあるため、砂糖は通常の肉じゃがより控えめにしています。
醤油麹を使うことで、砂糖やみりんの使用量も減らせるので、糖質やエネルギーカットにもなりますよ。
食塩相当量:1.4g
* * *
麹にはほかにも肉を柔らかくするはたらきがあります。
魚や肉に漬け込んで焼くだけで、ワンラックアップの味わいになりますよ。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。