時間は誰にでも平等に流れますが、体や心が衰えていく人もいれば、エネルギッシュで元気なまま過ごす人もいます。そこにはどんな差があるのでしょうか。

高齢化医療の第一人者で精神科医でもある和田秀樹先生によると「老化は“感情”から始まります。何の対策も取らないでいれば、体・脳機能を維持できなくなっていきます」とのこと。そこで、元気な高齢者として人生を謳歌するための様々なヒントを和田先生の著書『あなたの寿命を決める70歳からの選択』(宝島社)よりご紹介。今回は、上手な介護保険の使い方について解説します。

せっかくなら最後に「いい人生だった」と思えるような生き方をしたいもの。ここに紹介したヒントを活用してよりよい幸せを手に入れてみませんか。

監修/和田秀樹

ひとりで抱え込まず、まずは相談窓口へ

介護が必要になったとき、または介護について事前に相談をしたいときは、ひとりで悩まず、「地域包括支援センター」を訪ねましょう。原則、1つの市区町村に1か所以上設置されています。

地域包括支援センターは、「地域の高齢者が、住み慣れた場所で、自分の暮らしを人生の最期まで続ける」ためのさまざまな相談に対応する公的機関です。

センターには、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーなどの資格を持つ相談員がいます。「介護保険や保健・福祉サービスの紹介、利用手続きの援助」や「介護をする家族への支援」「介護予防事業の紹介」などに関する相談に応えてくれます。

相談、情報提供は無料です。介護のことが何もわからなくても、地域包括支援センターに行けば解決の糸口が見つかります。

生活環境と身体機能を確認する「認定調査」

介護保険の介護サービスを利用するには、「要介護認定」を受ける必要があります。これはその人に「介護が必要であること」を証明するものです。

認定を受けるには、(1)本人またはその家族が自治体の窓口に申請し、(2)のちに本人が自宅などで「認定調査」を受ける必要があります。

認定調査は、自治体の職員や自治体から委託を受けたケアマネジャー(介護支援専門員)が行います。(1)の申請は、地域包括支援センターに代行を依頼することもできます。

認定調査では、生活環境を調べる「概況調査」と、身体・生活・認知機能など74項目についての聞き取りをする「基本調査」、関節の可動域や立位保持の機能を見る「動作確認」が行われます(所要時間は約1時間)。

認定調査が行われるのと同時に、自治体から主治医に意見書の依頼があり、認定調査の内容とともに判定材料となります。

認定の通知は、申請から原則30日以内に郵便で届きます。要介護認定は、心身の状態によって要支援1・2、要介護1~5の7段階に分けられます。

* * *

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宝島社

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和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。精神科医。ルネクリニック東京院院長。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て現職。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。著書に『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』『ぼけの壁』(ともに幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)など多数。

 

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