皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第66回のテーマは、「美肌になる! 肌荒れを改善する漢方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、中田早苗さんに教えてもらいました。
肌荒れしやすい人の特徴とは?
肌トラブルが起きているときは、体の中にも変化が起きています。「肌は内蔵の鏡」という言葉があるように、肌の不調は体のバランスが崩れている証拠でもあります。
肌荒れは様々な要因から起きるため、どんな理由から起きているのかを知ることが大切です。まずは、漢方の視点から肌荒れしやすい人の特徴を4つ挙げて解説します。
1.冷え性の人
指先や手足など、体の末端の冷えが目立つ人は「血(けつ)」が滞っている「瘀血(おけつ)」タイプです。
漢方における「血」とは、血液だけでなく血液が運ぶ栄養素もあらわしています。瘀血状態になると、肌に栄養がうまく行き渡らず、ニキビや目の周りのシミなどのトラブルが起きることがあります。
2.寝汗をかきやすい人
冬でも寝汗をぐっしょりかいてしまう人は、生命エネルギーである「気(き)」が不足してしまう「気虚(ききょ)」タイプです。気虚になると肌の弾力が失われ、たるみやくすみの原因にもなります。
3.生理不順になりやすい人
よく生理不順やめまい、ふらつきが起きる人は、「血」が不足している「血虚(けっきょ)」タイプです。血は肌に栄養を運ぶ役割があり、不足すると肌の乾燥や湿疹などが目立ちます。
4.落ち込みやすい人
すぐに落ち込んでしまったり、イライラしたりする人は「気」が滞ってしまう「気滞(きたい)」タイプです。気の流れが悪いと、自律神経の失調や肌に栄養をもたらす血の流れにも影響があり、吹き出物ができやすくなります。
肌荒れに漢方が効く理由
肌荒れの原因としては、皮膚の乾燥や血行不良、ストレス、胃腸の不調などが考えられます。
肌荒れの予防・改善には、症状の緩和と根本改善のために以下のようなアプローチができる漢方薬を選びます。
・水分の循環をよくして肌に潤いを与える
・肌の乾燥で生じるかゆみや炎症を改善する
・血行をよくして肌に栄養を届け、肌の代謝をよくする
・自律神経を整えてストレスによる肌荒れを軽減する
・胃腸の働きをよくし、便秘が原因の肌荒れを改善する
また、漢方の特徴として、体質や症状に合わせた治療ができるという点が挙げられます。漢方は一人ひとりの体に適した処方で心身のバランスを整えて肌荒れを改善します。
漢方は慢性的な症状に関してもアプローチできるので、なかなか治りにくい肌荒れ症状の根治をめざすこともできます。
美肌になる! 肌荒れを改善する漢方
続いては、肌荒れのお悩みにおすすめの漢方薬を紹介します。
1.加味逍遙散(かみしょうようさん)
加味逍遙散は不足している血(栄養や潤い)を補い、巡りを整える漢方薬です。気分の落ち込みやイライラなどの精神症状、顔のほてり(ホットフラッシュ)、便秘、皮膚の炎症に用いられます。
2.清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
清上防風湯は、体の上部にたまった熱を冷まし、かゆみを抑える漢方薬です。赤ら顔やのぼせがみられる人に向いています。湿疹、皮膚炎、化膿性のニキビなどに用いられます。
3.人参養栄湯(にんじんようえいとう)
人参養栄湯は不足している気(エネルギー)と血(栄養)を補う漢方薬です。痩せて血色が悪い人に向いています。消耗性の疾患、虚弱体質、精神不安などにも用いられます。
4.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
桂枝茯苓丸は、滞った血を取り除いて巡りを改善し、肌に必要な栄養や潤いを届ける漢方薬です。体格ががっしりしている、赤ら顔の人に向いています。シミやニキビ、湿疹、皮膚炎の他、顔のほてり(ホットフラッシュ)などの更年期症状にも使用されます。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方を使用するうえで体質との相性は非常に重要です。風邪なら風邪薬という単純な処方ではなく、人それぞれの体質の傾向により処方される漢方薬は異なります。また、症状の変化によっても処方は変化するので、漢方薬を使用するときは専門家である医師や薬剤師に相談しましょう。
最近は、あんしん漢方というオンライン漢方サービスが注目を集めています。漢方に精通した薬剤師が体質や症状をみながら適切な漢方薬を処方してくれます。最新のAIデータ解析や、経過観察サポートもあるので、自宅にいながら手軽に質の高いサービスを受けることができます。
まずは、お試し漢方薬(1週間分×2パターン+休日デトックス4日分)から始めてみましょう。
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美肌づくりはまず生活習慣から!
肌の不調は気血水のバランスが崩れるなどの様々な要因からなり、また、症状もそれぞれ異なります。日頃から生活習慣にも気を遣い、体のバランスが崩れないように意識することも肌にとっては重要です。
さて、次回は「つらい腰痛を軽くする漢方」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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