お米は悪者じゃない!知っておきたい糖質コントロールの極意【エピキュール藤春シェフのケアリングフード講座 第2回】

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肥満や糖尿病の原因になるからと、最近、お米やパンなど炭水化物は“悪者”扱いになっています。しかし、本当にそうなのでしょうか?

「お米の消費量が減っているのに糖尿病患者は増えている、というデータがあります。この事実から考えると、一概に“お米”イコール“悪者”とは言い切れないのではないでしょうか」と語るのは、「ケアリングフード」を提唱する、東京・元麻布のレストラン「エピキュール」の藤春幸治(ふじはる・こうじ)シェフ。

東京・元麻布のレストラン「エピキュール」の藤春幸治(ふじはる・こうじ)シェフによる全5回の特別レクチャー。前回につづき2回目のテーマは「糖質」です。

さて、お米やパンは本当に“悪者”なのでしょうか? さっそく、お話を伺っていきましょう。

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■実はおかずにも糖質がたっぷり入っている

お米をたくさん食べていた時代よりも、お米離れが進む現代の方が、糖尿病患者が多いのはなぜでしょう。私は、食べ合わせに問題があると思います。

例えば、砂糖や日本酒を加えるすき焼きや牛丼には、すでに糖質がたっぷり入っています。しかも、濃い味付けでごはんも進みますから、合わせてつい糖質を摂り過ぎてしまうのです。

このように、現代人はおかずとの食べ合わせで大量の糖質を摂取しているケースが多いのです。砂糖はもちろん、みりんやお酒などの調味料にも、糖質が含まれています。

誰もが手っ取り早く糖質を抑える方法として、ごはんなど炭水化物の主食を抜くという方法が推奨され、いつの間にかお米が悪者になってしまっている風潮があります。

でも、お米などの主食もおかずも、合わせて美味しく食べたいですよね。「ケアリングフード」なら、それが可能になります。糖質が少ない調味料や食材、それを美味しく調理できる方法を用いて、過多になっている糖質を抑え、食事全体でコントロールすればよいのです。

これはご家庭でも実践できます。例えば料理酒の糖質量は16.6g(100gあたり)であるのに対し、蒸留酒の焼酎の糖質量は0gと言われています。だから、料理酒の代わりに蒸留酒の焼酎を使うことは糖質コントロールに有効です。

また、砂糖の代わりに出汁を使い、素材の甘味を引き出すことで砂糖の使用量を抑えることもできます。

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■低GI値の「茶色い糖質」を選んでください

糖質はエネルギー源ですので、取り過ぎてはいけませんが、摂らないのも良くありません。糖質を摂ると血糖値が上がりますが、その上昇率が緩やかな低GI値のものを選ぶとよいですね。重要なのは、どんな糖質を選ぶかです。

GI値とは、食後に血糖値が上昇するスピードを示す値です。このGI値が高めなのは白米や白パン、砂糖など精製された「白い糖質」。GI値が低めなのは玄米やそば、ふすま粉のパンやパスタなど「茶色い糖質」です。エピキュールでもふすま粉を使ったオリジナルのパンやパスタをお出ししています。糖質をカットしながら、満足感が得られると好評です。

■砂糖などの「直接糖」はよく吟味しましょう

糖質と言えば、直接糖にも要注意です。糖質はその性質から大きく2つに分けられ、炭水化物など体内で分解されて糖になるものを「間接糖」、砂糖など摂取すると血糖値の上昇に直結するものを「直接糖」といいます。

直接糖には脳に依存性があると言われていますから、使うなとまではいいませんが、使う量は考えた方がいいと思います。

また、カロリーゼロの甘味料にも要注意です。確かに、カロリーも糖質もゼロですが、脳が錯覚を起こしてインシュリンを上げることも。それを繰り返すと太る原因にもなります。もし、使うとすれば甘味を感じやすいのに依存性が少なく、体外に排出されやすいエリスリトール系を選ぶとよいでしょう。

健康な人であれば、糖質とはどんなものか知った上で、食べ合わせを工夫すれば白いごはんを食べたって構わないと思います。その場合は、糖の吸収を抑えるために食物繊維をしっかり取りながら、または摂取した後に召し上がるのが理想です。また、砂糖は依存性が高いということを理解し極力避けることが大事ですが、ストレスになるぐらいなら加減をしながら使ってもよいと思います。

ケアリングフードは“お米は悪者”などと、敵を作りません。目指すのは、制限食ではなく、バランス型の食事スタイルです。だからこそ、無理なく楽しく続けられるのです。

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【藤春幸治シェフ プロフィール】
東京・元麻布「エピキュール」オーナーシェフ。日本における「ケアリングフード」の創案者。フレンチやイタリアンのレストラン、有名外資系ホテル、海外にて研鑽を積み、2014年にケアリングフードを提供するレストラン『エピキュール』をオープン。医師やトップアスリート、芸能人などからも支持を集めており、糖尿病や癌の患者など、様々な人への食事サポートの実績をもつ。著書に『あなたのカラダが21日で変わる「ケアリングフード」レシピ』(講談社)がある。家庭の食卓でも手軽にケアリングフードを取り入れられる冷凍食品『ヒルズ・エピキュール』おせち料理の監修にも携わっている。

取材・文/小野寺佑子

【エピキュール藤春シェフのケアリングフード講座】
※ 常識を覆す美味なる健康食!「ケアリングフード」とはいったい何か【第1回】

※ お米は悪者じゃない!知っておきたい糖質コントロールの極意【第2回】

※ 知っておきたい!「食用油」の上手な摂り方・使い方の秘訣【第3回】

※ ロコモやサルコペニア対策にも!ケアリングフード的「たんぱく質の上手な摂り方」とは?【第4回】

※ 味噌選びは「塩」選び!塩分摂取を抑えて美味しく仕上げる発酵調味料の知恵【第5回】

【お知らせ】藤春シェフが自ら「ケアリングフード」の考えを語る料理サロン&試食会が開催されます。詳しくは下記記事をご覧ください。
http://serai.jp/gourmet/120275

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