新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、いつ健康が脅かされるか予測不能な今、免疫力を高めることが重要です。免疫力を上げるには、食生活を整えることが欠かせません。そこで、もち麦ごはんと味噌汁をベースに“簡単・おいしい・栄養満点”のレシピを紹介している書籍『慈恵大学病院の食べる「免疫力」 』から、腸の調子を整え免疫力を上げる食事のヒントをご紹介します。

監修/東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部  写真/西山航

一汁一菜にも欠かせないもち麦と味噌汁

伝統的な一汁一菜から人気のBENTOまで、私たちの食事スタイルは多彩です。食べたものが健康をつくるのなら、その食事スタイルに応じて免疫食材を加えましょう。

鎌倉時代、武家は質素倹約を旨として粗食を励行しました。そこで食されたのが味噌汁のぶっかけ麦飯や「一汁一菜」という食事スタイルでした。ご飯と香の物(漬物)は別として、あとは野菜いっぱいの味噌汁と、干物などのおかずが一品です。武士は「いざ鎌倉!」となればこのシンプルな食事で戦いました。

主食のご飯は玄米や麦飯で、玄米のビタミンやミネラル、白米に比べて16~25倍もある大麦の食物繊維を取り入れ、干物や焼き魚からはカルシウムとたんぱく質、残りの栄養を具だくさんの味噌汁で補給していました。当時、すり味噌をお湯に溶いて飲むという、いまの味噌汁の食べ方が広まったので汁物は味噌汁以外には考えられなかったようです。

「一汁一菜」は日本人の食の基本スタイルといわれますが、決して昔の粗食をそのまままねるのではなく、栄養の偏りや塩分過多などに気を付けて、シンプルな食生活を送って健康に繋げましょう。

【メニュー】
・7:3の割合で炊いた「もち麦ご飯」
・水溶性食物繊維のフコイダンを含んだ「きざみ昆布の煮物」
・免疫機能を助ける食材がいっぱいの「豚汁」

一汁三菜で栄養バランスと免疫力アップを両立

「一汁三菜」という食事スタイルの発祥は平安時代で、確立したのは室町時代です。鎌倉時代の「一汁一菜」の武家スタイルが、幕府が京に移ることで本膳料理(おもてなしの料理)として形式を変えて武家社会に広まりました。一汁三菜の献立はご飯(主食)、味噌汁、主菜一品、副菜二品という、いまの私たちの食事スタイルといえます。一汁一菜よりも食材が増えた分、栄養のバランスもよくなりました。

免疫力を高め、健康になるための食事を考える場合には、この一汁三菜スタイルが基本になると思います。米ともち麦を7:3の割合で混ぜた麦ご飯と発酵食品の味噌汁は、腸内環境を整える定番の組み合わせ。主菜はカラダや血液を作るたんぱく質を多く含む肉や魚、あるいは豆腐や卵など。副菜には不足しがちな野菜やいも類、豆、きのこ、海藻などを調理方法を変えて小鉢として出せば、栄養バランスもよくなります。

【メニュー】
・7:3の割合で炊いた「もち麦ご飯」
・β-カロテンたっぷりの「にんじんのきんぴら」
・鉄分が豊富な「ひじきと豆腐のあえ物」
・免疫の働きを調整するビタミンDを豊富に含む「ぶりの塩麹漬け」
・粘膜の働きを高める「なめこの味噌汁」

もち麦+味噌で洋風料理も免疫強化料理に変身

現代は毎日を和食で過ごすことは難しい時代です。それほど洋風料理が違和感なく食生活に溶け込んでいます。健康的な食生活を送るために、洋風料理や世界各国の料理を、自分なりにヘルシーで免疫力を強化する食事に変身させたいものです。

洋風料理といえば肉類が多く使われ、オリーブオイル、バターといった油脂の多用、さらに酒類やスパイスなども使われます。どの食材も人のカラダ作りには必要なものですが、いずれも摂り過ぎは健康によくありません。ライスを使う料理ならもち麦を加えることで、また調味料として味噌を用いることで栄養バランスがよくなり、腸活にも役立ちます。

不足しがちなのは野菜です。とくに「ビタミンACE(エース)」といわれるビタミンA(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)、ビタミンC(レモン、パプリカ、ブロッコリーなど)、ビタミンE(あさり、アーモンド、サーモン、モロヘイヤなど)は抗酸化物質として作用し免疫機能を助けるので、料理に加え、意識して摂るようにしましょう。

【メニュー】
・もち麦のβ-グルカンをたっぷり含んだ「キーマカレー」
・強い抗酸化力がある「ブロッコリーの味噌ポタ」
・香気野菜を入れた「野菜サラダ」

お弁当だからこそ加えたい免疫強化食材のいろいろ

最近、海外でも注目されている日本のお弁当。日本を代表する食文化のひとつですが、家族のためのキャラ弁など「映える」お弁当に挑戦する方も多いようです。ふたを開けたときの彩りや楽しさは何よりの魅力でしょう。確かに食欲もそそられます。とはいえ、毎日そういうお弁当ばかりというわけにはいきません。

塩分もカロリーもどうしても高めになりがちな外食よりも手作りのお弁当。健康のためにはいいこと尽くめなのですから、これが持続可能なように常備菜を週末に作ったり、前の晩ご飯を上手にリメイクしたりと調理の工夫も必要です。

味つけが濃くなりがちなお弁当のおかずは、甘み、酸味、うま味(トマトケチャップや酢、味噌)などいろいろな味わいの料理を組み合わせ、塩分の多い料理に偏らないようにしましょう。そして免疫効果を高められるビタミンACE(エース)の食材使用がおすすめです。見た目が映えることよりも、こうしたバランスのよさを大切に。カラダの調子がよくなると、お弁当作りも楽しくなります。

もち麦ご飯のお弁当ではなくサンドイッチにした場合でも、スープジャーの汁物にゆでもち麦をトッピングすれば、腸活に一役買います。

【メニュー】
・強い抗酸化作用を持つブロッコリーの「スプラウトたっぷりのチキンサンド」
・トマトのリコピンが豊富な「ミネストローネ」
・ポリフェノールいっぱいの「シャインマスカットのカプレーゼ」

* * *

『慈恵大学病院の食べる「免疫力」 』
(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 監修)
世界文化社

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【監修】
濱裕宣(はま・ひろのぶ)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部課長。給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導にあたる。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』『その調理、9割栄養捨ててます!』など、同病院栄養部監修による多数の健康レシピ本に関わる。

赤石定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士。栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す。同病院栄養監修の多数の健康レシピ本のプロジェクトリーダーとして活躍。栄養素の最大活用を考えた身近なレシピには定評がある。

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