文/中村康宏、内本菜穂

現代病とも言われる花粉症。近年、スギ花粉などによるアレルギー性鼻炎が増加しています。2019年に行なわれた鼻アレルギー全国疫学調査では、アレルギー性鼻炎の有病率は49.2%と全国の2人に1人が何かしらのアレルギーに悩まされていることが分かりました(「日本耳鼻咽喉科学会会報2020」より)。

そのうちスギ花粉症の有病率は38.8%と高く、今年もすでにアレルギー症状が出始めているという方も多いのではないでしょうか。

アレルギーの治療には薬物療法が用いられることが一般的ですが、日常の食事や生活の中でアレルギー対策を講じればさらに症状の緩和に繋がります。

今回は、抗アレルギー効果のある食べ物やアレルギー症状を悪化させてしまうものをご紹介します。

抗アレルギー効果のある栄養素と食品

(1)フラボノイド(柑橘類、玉ねぎ、ニラ、春菊、蕎麦の実など)

抗アレルギー作用や抗酸化作用を持ち、花粉による炎症抑制効果が認められています。食後のデザートに柑橘類を食べたり、鍋の具材にニラや春菊を用いるのがオススメです。フラボノイドは熱に強い成分ですが、水に溶けやすい為、煮込みすぎず調理の最後に加えサッと加熱する程度にしましょう。

(2)カテキン(緑茶、べにふうき茶)

カテキンには、アレルギー情報を伝達する物質の生成を抑え、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑える働きがあります。熱に弱い為、熱湯ではなく70〜80℃程度のお湯でゆっくり抽出すると、渋味や苦味を抑えつつ効率よくカテキンを摂取することができます。

(3)カカオマスポリフェノール(ココア、チョコレート)

リンパ球の過剰な増殖や作用を抑え、免疫が過剰に反応するのを防ぎます。カカオの含有量が多いものを選ぶことがポイントで、砂糖や食物油脂の含有量が多いチョコレート菓子よりも、ココアパウダーやハイカカオのクーベルチュールチョコレートがオススメです。

毎朝の日課として、ホットミルクに溶かして飲んだり、果物やヨーグルトのトッピングとして活用してみてはいかがでしょうか。

(4)リコピン(トマトジュース、トマト缶などの加工品)

トマトの加工品から得られるリコピンはアレルギー反応を抑制し、花粉症の症状を和らげる効果があると言われています。毎日コップ一杯のトマトジュースを飲むようにしたり、カレーやスープの調理にトマト缶を活用することで簡単に摂取できます。

(5)アリルイソチオシアネート(わさび)

アリルイソチオシアネートには強い抗炎症作用と血行改善作用があり、炎症を起こしている患部の症状を緩和します。花粉症では鼻腔を元の状態に戻して鼻づまりを改善する効果が期待できます。わさびは香辛料の一種で、食べすぎると舌や胃腸の負担が大きくなる為、食べ過ぎには注意が必要です。

整腸作用や粘膜を保護して免疫力を高める効果のあるもの

(1)乳酸菌(ヨーグルト)

乳酸菌は悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える働きがあります。免疫細胞の60%は腸に存在し、腸内環境を整えることで、免疫機能が正常に働き、花粉症の症状緩和しやすい免疫状態を構築します。

(2)ビタミンD(キノコ類、魚介類)

ビタミンDは骨の形成やカルシウムの吸収を高める作用の他に、免疫機能を高め、花粉症の症状を和らげることがわかっています。(Asia Pac Allergy. 2017; 7: 65–73.)食品からの摂取の他に、日光を浴びることで体内でも生成できるため、1日1回10〜20分を目安に日光を浴びる習慣を付けましょう。

(3)ビタミンA(人参、レバー、卵黄)

ビタミンAは皮膚や粘膜を正常な状態に保ちます。目や鼻の粘膜が乾くと、チリやホコリ、花粉などのアレルゲンが体内に侵入するのを防ぐバリア機能が低下してしまい、花粉症の症状が悪化します。ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、油で炒めたり、油と一緒に食べると効率よく摂取できます。

アレルギー症状を悪化させる食事や生活習慣

(1)ジャンクフード等、高脂質な食事

腸内の悪玉菌を増加させる高脂質な食事を頻繁に摂ることで腸内環境が乱れ免疫機能が低下し時にアレルギー症状を悪化させます。花粉症の予防にも規則正しい食事は必要です。ジャンクフードばかりに偏らず、定食メニュー等バランスの取れた食事を中心に選ぶようにしましょう。

(2)飲酒

アルコールが体内で分解されるときに生成されるアセトアルデヒドという物質は、アレルギーを引き起こすヒスタミンの放出を促します。またアルコールは血流を乱し、鼻づまりや充血などの症状を悪化させるため、花粉症の症状をよりつらくさせる原因ともなり得ます。特に花粉症の症状が強い時は極力飲酒を控えてみてください。

* * *

食事だけで辛いアレルギー症状を完全に無くすことができる訳ではありませんが、悪化させない、症状を軽減させる工夫は可能です。アレルギー検査や薬物治療に加えて「普段の食事」も意識してみましょう。「アレルギーに負けない体作り」で、花粉症シーズンを晴れやかに過ごしましょう。

内本菜穂
虎ノ門中村クリニック管理栄養士。個々の生活スタイル、食事内容、嗜好などを伺い、一人ひとりに合った無理のない食事指導を実践しています。


文/中村康宏
医師。虎ノ門中村クリニック院長。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。予防の必要性を痛感し、アメリカ・ニューヨークへ留学。予防サービスが充実したクリニック等での研修を通して予防医療の最前線を学ぶ。また、米大学院で予防医療の研究に従事。同公衆衛生修士課程修了。帰国後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」にて院長。一般内科診療から健康増進・アンチエイジング医療までの幅広い医療を、予防的観点から提供している。近著に「HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること」(主婦の友社刊)がある。

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