最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもあります。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「脳トレ漢字」第86回は、「山葵」をご紹介します。鼻につんとくる、あの食べ物です。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

「山葵」はなんと読む?

「山葵」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 普通に読めば「やまあおい」ですが……

正解は……
「わさび」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「アブラナ科の多年草。根茎は香辛料とし、すりおろすと酵素が働いて鼻につんとくる香気と辛味を生じる」と説明されています。すりおろしたものは柔らかい黄緑色をしており、刺身・そば・握りずしなどとともに食べるのが一般的です。

日本原産の香辛薬草である「山葵」は、山間の涼しい谷川の浅瀬に自生しており、古来より栽培もされています。ただ、栽培に適した水温と澄んだ豊富な水量が必要となることから、日本でも限られた場所でしか栽培できない植物です。

「山葵」の漢字の由来とは?

「山葵」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「山」は深山の冷たい清流に自生していること、「葵」はわさびの心臓形の葉が葵の葉に似ていることに由来し、「山葵」の名が生まれたとされています。

ちなみに、日本最古の薬草事典『本草和名(ほんぞうわみょう)』にも、「山葵」の記載があります。このことから、平安時代からわさびが薬草として用いられてきたことがわかります。

「わさび」の語源とは?

「わさび」の語源は諸説あります。例えば、心臓形の葉が葵に似て、沢に生えていることから沢葵(さわあおい)と呼ばれ、これが短縮され「さわひ」となり、転じて「わさび」になったとの説です。

他にも、鼻につんとくる辛さの特徴を「悪(わる)・障(さわる)・響(ひびく)」と表現し、その3つの頭文字を組み合わせて「わさび」となったとする説もあります。

***

いかがでしたか? 今回の「山葵」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? スーパーや飲食店などでよく見かける食材でも、意外と漢字表記は見慣れていないものです。「山葵」の他にも、気になった食材の漢字を調べてみると面白い発見があるかもしれません。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com

 

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