学生時代、算数や数学が苦手だったという人は多いもの。
しかし、大人になると仕事で数字は欠かせません。営業や交渉を行うとき、数字を使わなければ相手を説得することができませんし、社内の報告でも数字を使って説明することで、全員が共通の認識を持つことがでるでしょう。
そのように日常的に数字を使っていることで、いつの間にか苦手な数学を克服できていたということもあるかもしれません。
今回は数学力を試すクイズをお届けします。勉強ととらえず、気楽にチャレンジしてみてください。
■数学力が気楽にわかるクイズ・問題編
さっそく問題です。 A子さんが「1=2」であることを証明したと言います。
でも、どう考えでもそんなはずはありませんよね。
A子さんが書き残した以下の証明のどこかに間違いがあるはず。それを見つけてこの証明を覆してください。
[1=2の証明]
A=1である。
A=1の両辺にAを足すと、
A+A=A+1
2A=A+1
両辺から2を引くと、
2A-2=A-1
2(A-1)=A-1
両辺を(A-1)で割ると、
2(A-1)/(A-1)=(A-1)/(A-1)
2=1
よって、2=1が証明されました。
これのいったいどこが間違っているのでしょうか。目標は2分! 冷静に分析してみてください。
■数学力が気楽にわかる試すクイズ・解答編
……みなさん、答えはわかりましたか?
ズバリおかしいのは、最後にある「両辺を(A-1)で割ると」の部分です。
この証明ではA=1なので、(A-1)は0になります。0で割ることはできないというのは数字の大原則。
A子さんは記号に惑わされて、そんな初歩的なミスをしてしまっていたのです。結果、答えがおかしくなってしまいました。
よって「2=1」という証明は成り立たないことがわかりました。
*
証明といわれると、とっさに学生時代の数学への苦手意識が蘇ってきてしまう人もいるかもしれません。しかし、実際にクイズを解いてみると意外と簡単だということが分かったのではないでしょうか。
「数字は苦手だから……」と初めから避けてしまうのではなく、あえてチャレンジしてみると、新たな可能性に出会えることがあるかもしれません。
クイズ/北村良子
パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。
【参考リンク】
※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識
※老年若脳
※IQ脳.net