今日、自分自身の健康を守り対処する「セルフケア」の重要性が高まっています。そこで解熱鎮痛薬「ロキソニンS」を販売する第一三共ヘルスケア株式会社(https://www.daiichisankyo.co.jp/)が、解熱鎮痛薬の使用について調査を実施しました。現代の解熱鎮痛薬に関する情報収集はどのようにしたらいいのでしょうか? 早速見ていきましょう。

薬剤師からみた、生活者のセルフケア意識と解熱鎮痛薬の使用状況とは? 

薬剤師を対象に、セルフケア意識の高まりとともに解熱鎮痛薬の使用者が増加する一方、解熱鎮痛薬の使用について、約8割が「生活者の認識が誤っていると感じたことがある」と回答しています。セルフケアの各要素に対する生活者の意識について聞いたところ、それぞれ約7割が「必要性を感じていると思う」とし、また、ここ数年で市販の解熱鎮痛薬を使用する人の増減についても約8割が「増加したと思う」という結果でした。

使用することに対する抵抗感は、約 45 %が「解消されてきていると感じる」と回答しているものの、40 %が「抵抗感が増加していると感じる」と回答しています。ですので、市販の解熱鎮痛薬を使用することに対して抵抗感が解消されつつある一方、いまだ誤った認識を持ちながら使用する生活者の多い状況が窺えます。

薬剤師からみた、生活者の解熱鎮痛薬に関する情報収集・理解度は? 

解熱鎮痛薬に関して生じる誤解の代表的なものとして、「飲み過ぎると効かなくなる」「痛みが強くなってから服用した方が良い」「飲むと眠くなる」などがあります。薬剤師にこれらの誤解に対する生活者の認識の変化について聞いたところ、それぞれ約4割が「誤解している人が多いが、最近減ってきていると感じる」と回答し、解消の傾向もみられます。

しかし「以前から誤解している人は多く、変化は感じない」「誤解している人は最近増加したと感じる」と回答する薬剤師も約4割存在し、生活者の認識が正されていない状況が窺えます。市販の解熱鎮痛薬を購入する人はどこで知識を得ていると思うかを聞いたところ、最も多い回答は「インターネット検索サイト」の約 62 %となり、「薬剤師や登録販売者に相談」の 30 %に比べ、約2倍の結果となりました。 いつでも手軽に触れられるインターネット上の情報から知識を得ていることが示唆されている結果となりました。

また、市販薬に関して生活者とコミュニケーションをとる中で課題に感じることについては、半数以上が「薬剤師の指示をきちんと守って欲しい」「薬剤師の説明をしっかり聞いて欲しい」と感じ、約4割が「薬剤師にもっと相談・質問してほしい」と感じています。他にも、「自己判断をしないでほしい。ネットや週刊誌の情報を鵜呑みにしないでほしい」という意見も挙がりました。生活者が解熱鎮痛薬を正しく使用して症状に対処するためにも、これまで以上に薬剤師に積極的な相談を通じて、必要な情報を得ることが求められますね。

堀美智子先生による解説

日本薬業研修センター医薬研究所所長であり、薬剤師の堀美智子先生に、セルフケアのポイントについてお聞きしましたので、ご紹介します。

近年、健康的な生活を送るためにセルフケアを実践する必要性は高まっています。新型コロナウイルスの流行を経験し、特にワクチン接種に向けて、市販薬やその成分について念入りに調べ、購入した人も多いのではないでしょうか。市販薬についてしっかりと調べることは、このような有事のタイミングに限らず、日々の生活におけるセルフケアの重要なポイントの一つです。

しかし、その調べた情報は、果たして正しいものでしょうか。今回の薬剤師を対象とした調査結果からは、生活者が様々な情報収集を経て市販の解熱鎮痛薬を購入している背景が見えてきましたが、解熱鎮痛薬の使用について、約8割が「生活者の認識が誤っていると感じたことがある」と回答しています。「薬剤師や登録販売者に相談」して知識を得ていると感じている薬剤師が3割というのは残念な結果です。「もっと質問して欲しい」「もっと説明を守って欲しい」といった声は切実で、薬剤師の説明にしっかり耳を傾けて欲しいと思います。

「セルフケア」は一人で考えることではありません。体質や症状にあった解熱鎮痛薬の購入のために、また市販薬で対応できる限界を知るためにもプロフェッショナルである薬剤師にアドバイスをもらうようにしましょう。かかりつけの薬剤師を決めておけば、薬の説明を受けられる以外にも、購入する薬が自分の体質や症状に合っているかを相談したり、または薬歴やアレルギー、体質など、薬に関する情報を管理したりしてもらうこともできます。

昨今はメディアやSNSの情報も参考にはなりますが、様々な情報が溢れ、世の中の状況も目まぐるしく変わるからこそ、薬剤師から正しい情報を得て、薬に対する理解力を高め自分自身に最適な解熱鎮痛薬を見極めることが必要です。薬は「物+情報」です。物だけ購入するのではなく、薬剤師や登録販売者から情報も一緒に得ることが大切です。ぜひ身近な薬局、ドラッグストアの薬剤師に頼って、正しいセルフケア習慣を身に付けて欲しいと思います。

〈堀 美智子(ほり みちこ)先生のプロフィール〉
医薬情報研究所、エス・アイ・シー取締役・医薬情報部門責任者。日本薬業研修センター医薬研究所所長。薬剤師。名城大学薬学部卒業、同大学薬学部医薬情報室、帝京大学薬学部医薬情報室勤務を経て、1998~2002年日本薬剤師会常務理事。98年より現職。薬局経営を行いながら、そこから得た情報をもとに一般生活者や薬剤師などへの情報提供を行う。

***

薬剤師である堀先生からのコメントにもありましたが、インターネットの普及により様々なことが調べられるようになりましたが、情報の信憑性には疑問符がつくところもあります。解熱鎮痛薬や市販薬に関しても、身近なドラッグストアにいる専門家である薬剤師の話を、きちんと聞いて使用することを心がけましょう。

【調査概要】
・実施時期:2021年9月13日(月)~15日(水)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:薬剤師の資格を保有し、現在薬局・ドラッグストアで勤務する20歳以上の男女計408名(男性246名・女性162名)

 

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