写真・文/矢崎海里
2015年、日本の伝統的な食文化「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
四季折々の食材の持ち味を生かした調理法や、古くから地域に根付いた郷土料理などが知られているほか、うま味を生かした料理は動物性脂質が少なく、日本人の健康を支えています。
11月24日は「いい日本食」から「和食の日」とされています。
今回は和食の基本「だし」に着目。
家庭で作れる手作りの粉末だしパックと、その活用レシピをご紹介します。
手作り粉末だし
【材料】(作りやすい分量)
かつお節 50g
昆布 2枚(25g)
煮干し 25g
【作り方】
1.昆布はキッチンばさみで小さめにカットする。煮干しははらわたの黒い部分を取り除く。
2.フードプロセッサー、または、ミルミキサーに入れ、具材を細かくする。
昆布は多少大きくても大丈夫です。
完成した粉末はお茶パックに入れて、チャック付き保存袋に入れて冷蔵庫で保存してください。
しいたけや干しえび、干し貝柱などを配合して、好みのだしを作るのもおすすめです。
だしを取る際は、水300ccに対して粉末だし大さじ1杯が目安です。
沸騰したお湯にパックに入れた粉末だしを入れ、2~3分煮出して下さい。
ここからは上記手順で作っただしを使用した減塩レシピをご紹介します。
牛肉豆腐
【材料】(1人分)
牛こま切れ肉 80g
絹豆腐 1/2丁
白菜 100g
玉ねぎ 1/4個
だし 100cc
醤油 大さじ1/2
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
1.絹豆腐は水切りをし、半分にカットする。
2.白菜はざく切りに、玉ねぎは5mm程度にスライスする。
3.鍋にだし、醤油、みりん、酒を入れて火にかける。2を入れてしんなりするまで加熱する。
4.野菜を端に寄せて牛肉を火が通るまで煮て、一度取り出す。
5.水切りした豆腐を加え、ふたをして弱火で10分煮る。
6.ふたを取り、牛肉を戻して5分ほど煮詰める。火を止め器に盛り付け完成。
だしのうま味を感じるよう、醤油、みりん、酒のシンプルな材料で仕上げた牛肉豆腐は寒いこの時期にホッと温まる味わい。牛肉は固くならないよう最初にさっと煮て取り出し、最後に一緒に温めるのがポイントです。
絹豆腐の水切りは多少手間ですが、煮た際水分が出て煮汁が薄まってしまうのを防ぐ役割があります。
お好みできのこ類を加えることでさらに旨味がプラスされます。
しらたきや春菊などを加えてすき焼き風にアレンジするのもおすすめです。
食塩相当量:1.5g
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手間がかかるイメージのあるだしも、だしパックがあれば手軽に本格的な和食にチャレンジできます。
市販品も野菜だしやあごだし、食塩無添加などいろいろな種類があるので、チェックしてみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。