とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。

実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?

私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

第43回のテーマは、「月経異常」です。あんしん漢方の監修医である木村 眞樹子先生に教えてもらいました。

1.「顔色悪い?会議にも集中できていなかったよね?」と言われ…

ヨシコさん 45歳、会社員の女性からご質問をいただきました。

「最近、前にも増して月経時の出血が多くなっています。以前から少し出血量は多いかな?と感じることはあり、一度婦人科でホルモン検査をしましたが、そのときは異常なしと言われました。

でもここ最近は出血量が多すぎて、1時間の会議中でも出血が気になるほど。会議が長引いたときなどはズボンに血がついていないか心配で、会議に集中できません。

出血が多いせいで、貧血になりクラクラすることも多いです。顔も青白くなっているみたいで、同僚にも体調が悪いの?と指摘される始末。

最近はそれに加えて、月経の期間も長引いている気がして…。仕事では責任あるポジションを任されており、仕事が終わるのも遅いので、通院も難しいです。何かこの症状を改善する、いい方法はありますか?」

ご質問ありがとうございます。

ヨシコさんのように、月経異常があり日々の生活にも影響が出ている状況、とてもつらいですよね。

実はその症状、更年期によるホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

2.月経異常はホルモンバランスの乱れのせい?

女性の排卵と生理のサイクルに大きな影響を及ぼしている女性ホルモン。

ホルモンバランスの乱れは月経異常の原因のひとつです。

女性は卵巣の中に、卵子のもととなる卵胞を数十万個持っています。

卵胞は毎月の排卵で減っていきますが、加齢によっても減少します。この加齢に伴う卵胞数の減少や、卵巣の機能低下によって女性ホルモンの分泌が減少していくのです。

女性ホルモンが減少することで、月経量が減る、逆に月経量が極端に増えて貧血になる…といった症状もみられます。

3.更年期症状による月経異常改善のためにできること

更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。

ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。

東洋医学では「気・血・水」が、からだをつくる3要素と考えられています。

毎月の生理、妊娠、出産など、女性は一生を通じて「血」と密接な関わりがあります。

「血」は全身をめぐって臓器や組織に栄養を与え、からだの老廃物を取り除く役割をしています。

栄養豊富な血をしっかり補い、スムーズに流す。「血」のケアは女性に不可欠です。

「血」のケアをすることで女性ホルモンの乱れを正し、体調を整える。

そんな東洋医学に基づいた養生法や、漢方薬を使った治療を取り入れてみませんか?

3-1.めぐりをよくする食材を取り入れる

「血(けつ)」が停滞している「瘀血(おけつ)」の状態が続くと、更年期の不快な症状を感じやすくなることがあります。

瘀血改善のために、血流を妨げる油脂の多い食事は少し控えめにして、からだを温める食材を積極的に取り入れましょう。

●おすすめの食材●
玉ねぎ、にんにく、らっきょう、青魚、シナモン、生姜、紅花(サフラン)など

3-2.からだを温めてめぐらせる

冷えは瘀血の大敵。日頃からからだを冷やさないように心がけて、血のめぐりをよくしていきましょう。足を冷やさないよう靴下をはいたり、温かい服装を心がけたりしましょう。

適度な運動や入浴も効果的。一日の終わりに湯船につかってゆっくりとからだを温めるのがおすすめです。ただし、瘀血の傾向のある方はのぼせやすい場合があるので、半身浴でゆっくりと全身を温めていきましょう。

3-3.漢方薬の力を借りて、体質から改善を目指す!

女性ホルモンの減少に伴って現れる月経異常には、漢方薬がおすすめです。からだの内側から「血」を整えるはたらきのある漢方薬にはさまざまな種類があります。

また自然の生薬から作られるため、一般的に西洋薬よりも副作用は少ないといわれています。

そして、漢方薬はお悩みの症状を緩和する対症療法だけでなく、体質から根本改善し理想の健康を目的にしている点が特徴です。
バランスの良い食事や適度な運動を実践するのは難しい…という場合も、漢方薬ならご自身の症状や体質に合うものを毎日飲むだけで、根本からの健康を目指せます。服用も簡単なため、どなたでも無理せず継続することが可能です。

<更年期に伴う月経異常に悩む女性におすすめの漢方薬>

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力のあり、足の冷えがある方
血のめぐりを良くすることで、生理痛、月経不順、月経異常などの症状を和らげます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):体力中等度以上で、のぼせが強くて便秘しがちな方
気と血の流れを良くして月経不順、月経困難症、月経痛、精神不安などの症状を和らげます。

・芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう):体力中等度以下で冷え性、出血傾向あり、胃腸障害のない方
血を補いつつ、血が漏れ出ないよう働くことで、痔出血や月経障害による貧血を和らげます。

ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。

とはいえ、自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しそうですよね。身近に相談場所ない場合、最近ではA Iを利用した「オンラインA I漢方」などのサービスも充実してきているので、こうした専門的なサービスを利用するのもいいでしょう。

効果と安全性が認められている漢方薬を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

4.月経異常を解消し、安心して外出できる毎日を

出血が多い、生理が不定期などの月経異常があると、外に出ることすら不安になりますよね。

更年期が原因の月経異常であれば、東洋医学の考え方を取り入れた生活で解消できるかもしれません。専門家に相談して、漢方薬を取り入れるのも良い方法です。

からだのバランスを整えて悩みを解消し、安心して外出できる毎日を取り戻しましょう!

<この記事を書いた人>


医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方): https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0043

記事内に登場した「あんしん漢方」とは?
「お手頃価格で不調を改善したい」「副作用が心配」というお悩みをお持ちの方のために、医薬品の漢方を、スマホひとつでご自宅にお届けするサービスです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが最適な漢方を選別。オンラインでいつでも「個別相談」可能。しかも「お手頃価格で」ご提供。相談は無料。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

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