急にトイレの回数が増えた、夜に何度もトイレに起きて眠れない、尿漏れしないかヒヤヒヤするなど、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい!どうすれば根本解消できるの?
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第16回のテーマは、「頻尿」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師の清水みゆきさんに教えてもらいました。
1.昼も夜もトイレのことばかり考える毎日…義母の嫌味と頻尿の悩みから解放されたい!
ヨシミさん 53歳女性 ご主人の実家(酒屋、自営業)で働いている方からご質問を頂きました。
「1か月ほど前から、急にトイレが近くなってきたんです。間に合わなくて尿漏れしないかと不安になり、ひどい時は30分ごとにトイレに行くこともあります。
主人の実家が酒屋で私もそこで働いているのですが、仕事中もついトイレのことばかり考えてしまいます。できるだけ尿意に耐えているのですが我慢の限界もあり、どうしてもトイレの回数は多くなってしまいます。なのに、先日なんて『忙しいのにまたトイレ?仕事さぼらないでよね!』と義母に嫌味を言われてしまいました。私だって好きでトイレに行っているわけじゃないのに…。
最近は夜も尿意を感じ、頻繁にトイレに起きるようになってしまいすっかり寝不足です。仕事中にぼーっとすることも増えたせいか、義母の冷たい視線を感じて気持ちまで落ち込んでしまいます。もうこんな毎日、耐えきれません!どうにかして頻尿を改善する方法があれば教えてほしいです」
ご質問ありがとうございます。
トイレの悩みはなかなか相談しにくいですし、一人で悩みがちですよね。
頻尿は「尿が近い、尿の回数が多い」という症状ですが、一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合をいいます。
頻尿は更年期症状のひとつです。一般的に、閉経に伴って不調が起きることを更年期障害と呼びます。
今回は更年期の頻尿の原因や改善方法についてお伝えします。
2.更年期の頻尿の原因はホルモンバランスの乱れだった!
45~55歳の閉経前後に起こる更年期障害とは、卵巣の老化により女性ホルモンが減少することによる身体の急激な変化に、脳がついていけずに様々な症状が起こってしまうことです。
更年期に女性ホルモンが減ると、尿道の粘膜がうすくなり尿道の周りの組織が萎縮して知覚過敏となったり、尿道や膀胱の近くの筋肉をうまくコントロールできなくなったりして、頻尿を引き起こしやすくなります。
漢方では、泌尿器系、成長・発育・生殖を主る機能をもつ「腎」が衰えると、水分の代謝が順調に進まずに頻尿を引き起こすと考えます。更年期になると、この「腎」のはたらきが自然現象として衰えてきてしまいます。
また、冷えやストレスや緊張による気(生命エネルギー)の滞りも頻尿の原因となります。
3.更年期の頻尿に悩む人が取り入れるべき4つの習慣
3-1.腎を補う食べ物で頻尿を改善する
漢方では、泌尿器系を主る機能をもつ腎の働きが弱まると、頻尿になると考えます。
黒ゴマ、くるみ、栗、山芋、キャベツ、エビなど腎を補う食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
3-2.水分やカフェイン入り飲み物の摂り過ぎに注意する
1日の水分摂取量は1~1.5リットル程度が適正(激しい運動をした時などを除く)とされています。水分の摂取量が増えれば自然と排尿の量と回数も増えてしまいますので、見直してみましょう。
また、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含んだものやアルコール類は膀胱を刺激しやすく利尿作用があります。麦茶やハーブティーなどのノンカフェイン飲料に変えるのもおすすめです。
3-3.ツボで頻尿を改善する
腎や膀胱のはたらきを高めるツボを刺激することで、更年期の頻尿を改善することができます。
・曲泉(きょくせん):ひざを曲げた時に内側にできるくぼみを刺激する
・中極(ちゅうきょく):おへその下、指の幅4本分ほど下がった所をやさしく押す
3-4.漢方薬で体質改善する!
「いったんよくなっても、またすぐに同じ症状をぶり返してしまう」「体質から根本改善したい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方は、人間の体の営みに即した自然の摂理を利用した治療法です。自然の恵みである動植物や鉱物の有効成分を見出して、それを人間の心身の症状の改善に役立てるために、長い歴史を経て、実際に効果のあるさまざまな処方を確立してきました。そのため、一般的に、西洋薬よりも副作用は少ないと言われております。
そして漢方は、表面に出ている症状や苦痛を緩和する対症療法だけでなく、不調の原因となっている体質を改善することを目的に働きますので、根本的な解決につながります。ですので、同じ症状を繰り返したくないという思いにも応えてくれます。
バランスの良い食事や適度な運動を実践するのは難しい…という場合も、漢方薬なら、ご自身の症状や体質に合うものを毎日飲むだけですので、無理せず継続することが可能です。
頻尿に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<頻尿に悩む女性におすすめの漢方薬>
体を温めて腎(泌尿器系、成長・発育・生殖を主る機能)を補うことで、腎の衰えや冷えが原因の頻尿を改善します。
・胃腸が弱い、動悸や不眠が気になる、神経質な方:清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
気と水のバランスを整えて熱を冷まし、膀胱のはたらきを正常にして頻尿を軽減します。
・イライラやのぼせやほてり(ホットフラッシュ)が気になる方:加味逍遙散(かみしょうようさん)
乱れた気のバランスや血の巡りをよくして、精神的ストレスや緊張による頻尿を改善します。
ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用がおきることもあります。自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しいものですが、最近ではA Iを利用した「オンラインA I漢方」などのサービスも充実してきましたので、こうした専門的なサービスを利用するのもよいでしょう。
4.更年期の頻尿は漢方でスッキリ改善!
なかなか相談しにくいトイレの悩み、頻尿が続くとつらいですよね。まずは頻尿対策のセルフケアとして、食生活の工夫や水分補給の見直しなどを毎日の生活の中で意識して取り入れていきましょう。
根本的に体質改善するには漢方がおすすめです。頻尿が改善されると、気持ちも明るくなって元気に過ごせるようになると思います。まずは無理なくできることから始めてみましょう。
漢方でトイレの悩みをスッキリ解消して、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師。漢方調剤薬局にて勤務。現在は、漢方の経験を活かし、「あんしん漢方」の漢方サポート・コンシェルジュにて漢方提案やお客様サポートを行っている。
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