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東京・麻布『分とく山』の野﨑洋光さんが考案した、香川県の小豆島にある井上誠耕園の「新鮮檸檬オリーブオイル」(左奥)を使った和の献立。手前左から「雑魚南蛮御飯(じゃこなんばんごはん)」「太刀魚(たちうお)香味酢かけ」、右奥は「ウニオクラ」(作り方は後述)。

香川県の小豆島(しょうどしま)は、瀬戸内海に浮かぶ風光明媚な島。この地で、昭和21年にオリーブの苗木を植えてから70年。以来、親子3代にわたってオリーブを生産しているのが「井上誠耕園(いのうえせいこうえん)」です。

オリーブは秋から初冬にかけて実りの時を迎えます。その収穫は一般に機械を使って行なわれることが多いのですが、井上誠耕園では、実に傷がついて劣化(酸化)しないよう、今もひと粒ひと粒、丁寧に手摘みしています。さらに、オリーブ本来の豊かな風味を活かしたオリーブオイルを作るため、良質な実だけを選別して24時間以内に搾油するという製法を貫いてきました。

オリーブオイルは、動脈硬化の進行を抑えるといわれるオレイン酸や、抗酸化作用のあるポリフェノールのほか、ビタミンA、ビタミンEといった栄養素が豊富に含まれています。そうした健康効果が注目されているオリーブオイルは、イタリア料理など西洋料理に使うものというイメージの強い油です。

以前からオリーブオイルを愛用しているという日本料理店『分とく山』総料理長の野﨑洋光(のざき・ひろみつ)さんによると、オリーブオイルと和食は、じつはとても相性がいいそうです。両者の関係について、野﨑さんはこう語ります。

「かつては、旨みといえば油でした。出汁をとるという習慣がなかった戦前の日本の一般家庭では、味わいに個性のある油を使って料理に旨みとコクを加えていました。私の故郷である福島では、菜種油や椿油などがよく使われていましたね。たとえば、素材を炒める“きんぴら”や、炒めてから煮る“筑前煮”といった料理は、本来は出汁を加えません。それらを作る際に使う油が隠れた出汁として、旨みになるからです。オリーブオイルも油ですから、出汁(旨み)としての役割を充分果たしてくれるのです」

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野﨑洋光(のざき・ひろみつ)さん。1953年、福島県生まれ。「東京グランドホテル」、「八芳園」を経て、80年に『とく山』料理長、89年に東京・麻布に店を構える日本料理店『分とく山』総料理長となる。

※井上誠耕園「新鮮檸檬オリーブオイル」について詳しくはこちら

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