■食欲が高まる、爽やかな香りとまろやかな味わい
では、和食を作る際にオリーブオイルをどのように活かせばいいのでしょうか。その具体的な手法として、野﨑さんに家庭でも手軽に作れるオリーブオイルを使った美味なる和食の献立を3品教えていただきました。
今回、野﨑さんが使ったオリーブオイルは、井上誠耕園が夏季限定で販売する「新鮮檸檬(レモン)オリーブオイル」です。この「新鮮檸檬オリーブオイル」は、オリーブとレモンを同時に圧搾することで、レモンの果皮エキスをオイルに溶け込ませ、レモンの香りとさわやかさを感じさせる、風味豊かなオリーブオイルに仕上がっています。
「新鮮檸檬オリーブオイル」を賞味した野﨑さんは、「美味しいオリーブオイルですね」と、まずひと言。そして、その特徴についてこう続けます。
「オリーブオイルにレモンが加わることで、オリーブオイル特有の風味をマイルドにしつつ、味わいをより引き立てています。そして、口に入れた瞬間にレモンの爽やかな香りが広がります」
レモンの爽やかな風味と旨みが楽しめる井上誠耕園の「新鮮檸檬オリーブオイル」。このオリーブオイルが夏季限定販売である理由は、ひとつには、食欲の落ちる夏場に、柑橘の風味が詰まったオリーブオイルで、爽やかに食を楽しんでほしいという願いがあります。もぎたてのレモンの果皮に含まれる、リモネン等の体に嬉しい成分が、食欲増進につながります。
そして、もうひとつは、同園が新鮮さを何より大切にしているからです。先に説明したように、日本でオリーブが熟すのは秋から初冬にかけて。つまり、夏場に新鮮なオリーブオイルを作るには、原料となるオリーブを夏に収穫期を迎える南半球に求めなければなりません。
そこで、井上誠耕園の3代目園主、井上智博さんは自らオーストラリアのオリーブ栽培農家を訪ね歩き、納得できるオリーブを探し求めました。そして、自分たちと同じように丁寧な栽培と収穫で高品質なオリーブを生産するアデレード(オーストラリア南部)のオリーブの栽培農家・エドさんと出会いました。
井上さんは親子3代にわたって小豆島で培った栽培や搾油などのノウハウを活かし、初夏に旬を迎えたオリーブとレモンを現地で搾り、鮮度を保つため、船ではなく空輸で運びます。その結果、夏のこの季節に、日本で新鮮なオリーブオイルを販売できるようになったのです。
「油は“出汁”になる」と語る野﨑さんが考案した、夏の食材を使う「新鮮檸檬オリーブオイル」の風味を活かした美味なる3品は、いずれも家庭で手軽に作れる和の献立です。さっそく、作り方をご紹介しましょう。
※井上誠耕園「新鮮檸檬オリーブオイル」について詳しくはこちら