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「セイコーミュージアム」のオリンピック計時に関する展示。日本の時計技術とオリンピックとの関わりがわかる。

「セイコーミュージアム」のオリンピック計時に関する展示。日本の時計技術とオリンピックとの関わりがわかる。

17日間にわたって熱戦が繰り広げられた、「リオデジャネイロオリンピック」が幕を閉じました。4年後の2020年には「東京オリンピック」が開催される予定で、今から待ち遠しい人も多いことでしょう。

オリンピックは選手たちの記録に注目が集まりますが、その裏方では世界トップレベルの企業による“競争”が行なわれています。例えば、舞台となるスタジアムを造る建築技術、報道写真を支える一眼レフカメラの技術などで、企業が技術力を競ってきました。

そして、オリンピックでは不可欠なのは、正確なタイムを記録する、すなわち計時の技術です。歴代でもっとも多く採用されているのはスイスのオメガ社ですが、1964年の「東京オリンピック」では日本で初めてセイコーが計時を担当しています。

京オリンピックで計時を行なった世界初の携帯型クォーツ時計(右)と、ストップウォッチ(左)。

京オリンピックで計時を行なった世界初の携帯型クオーツ時計(右)と、様々な機械式ストップウォッチ(左)。

1964年の「東京オリンピック」で日本は16個の金メダルを獲得し、敗戦から立ち直ったことを世界に示す歴史的なイベントでしたが、時計の歴史でも画期的なオリンピックでした。

まず、世界ではじめてクオーツ時計の技術で計時が行われたということ。そして、技術が功を奏し、一度も計時のトラブルを起こさなかったといわれます。また、100分の1秒までタイムを記録できるストップウォッチも開発されるなど、セイコーはその技術力で世紀のイベントを陰から支えたのです。

セイコーは昭和30年代にクオーツ時計の研究を開始。当初は箪笥のような大きさだった時計でしたが、東京オリンピックで採用された携帯型クオーツ時計は、テーブルに置ける大きさまで小型化できました。世界を驚かせたクォーツ腕時計「アストロン」が発売されたのはその5年後です。

「東京オリンピック」はクオーツ腕時計を生み出す基礎を作り、日本の時計産業が世界に飛翔するきっかけになったイベントといえるでしょう。

【セイコーミュージアム】
■住所:東京都墨田区東向島3-9-7
■電話:03-3610-6248
■開館時間:10:00~16:00
■休館日:月曜、祝日、年末年始
■交通:東武スカイツリーラインから徒歩約8分。東京メトロ浅草駅からタクシー約10分。
■公式サイト:http://museum.seiko.co.jp/

文:山内貴範

※「メイド・イン・ニッポン」を特集した『サライ』9月号が発売中です。美術史家の山下裕二さん(明治学院大学教授)が、岩手県雫石町にあるグランドセイコーの組み立て工場を訪ねました。

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