取材・文/わたなべあや
寒風が頬をかすめる季節、鍋や熱燗など温かい食事が恋しくなります。そんな時に熱々の肉饅を頬張るというのはいかがでしょうか。創業130余年の老舗中華『聘珍樓(へいちんろう)』の新製品「正宗肉饅(せいそうにくまん)」をご紹介します。
■ふんわりもっちり!天然酵母「老麺(ろうみん)」で作る生地
女性の両手のひらにやっと収まるくらい大きな『正宗肉饅』。真っ白できめの細かい生地はまるで柔肌のよう。ふんわりした中にもモチっとした食べごたえも感じられます。この生地に使われている酵母は天然酵母の「老麺」。聘珍樓で何十年もの間受け継がれている酵母です。老麺は、冷蔵庫では保存できず、そのまま放置すると息絶えてしまいます。翌日使う生地に忍ばせておくことで、その寝床を栄養分にして元気に生き続け、生地に弾力を生み出します。
■「正宗肉饅」のためだけに集められた豪華食材
老舗の広東料理店『聘珍樓』が満を持して作った「正宗肉饅」。老麺生地の中に入っている餡は、生地のほのかな甘味や食感ともよく馴染んでいるのですが、それもそのはず生地に一番よく合う食材が日本全国から集められました。
肉饅のメイン食材でもある豚肉は、長期飼育された鹿児島産黒豚をたっぷり使い、さらにひき肉にするのではなく、包丁で大ぶりにカットしてあります。そのため、肉塊に歯をあてた途端、口の中にジューシーな豚肉の肉汁がジュワ~っとほとばしり出て、肉の甘味と旨みが広がり椎茸の深みのある味わいが肉の味を引き立てるのです。
その椎茸も脇役とはいえ、100年以上の歴史を誇る長崎県対馬産。長い歴史の中で培われた原木と澄んだ湧き水で育ったものを使用しています。
筍は愛媛県西伊予市と大洲市産の孟宗竹の柔らかな穂先の部分だけを使っているのですが、無添加で、水だけで晒してアク抜きしたものです。すべて手作業で丁寧に加工された筍は、上質な肉の風味を競い合うように引き立てます。
老麺生地と餡が口中で絶妙に絡み合うのを楽しんでいると、時折シャキシャキした食感の食材が。実は、黒くわいを加えてアクセントにしているのです。
こうした正宗肉饅のためにひとつひとつ厳選して集められた食材は、広東料理ならではの調味料『蝦醤(えびみそ)』を隠し味にしてあるためコクと旨みが増し、さらに濃厚な風味になっています。
ちょっと他では味わえない老麺生地と吟味を重ねた食材が競演した『正宗肉饅』。伝統的な食材や調味料、調理法に回帰して作ったという肉饅は、日本人が持っている点心の概念を覆すような力がみなぎっています。
■本格派だけど簡単に味わえる
ご紹介した『正宗肉饅』は、本格中華の名にふさわしい豪華な肉饅ですが、食べ方はとても簡単。包装紙から取出し、蒸気が上がった蒸し器(できれば蒸籠)で蒸すか、表面を少し水で濡らしたら、電子レンジで温めていただきます。
熱々の肉饅をハフハフ言いながら頬張るのは、格別の喜びです。
【今日のお取り寄せ】
『聘珍樓』の「正宗肉饅(せいそうにくまん)」
価格:1個630円(税別)
販売店:聘珍樓横濱本店売店、聘珍茶寮全店、百貨店内聘珍樓全店舗
※聘珍樓通販サイト
http://heichin-shoppers.jp/
【聘珍樓横濱本店】
住所 神奈川県横浜市中区山下町149 中華街大通中央
電話番号 045-681-3001
http://www.heichin.com/
取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。