【ひと皿の歳時記~第75回】
東京・福住「みかわ是山居」の「しらうお」のてんぷら
春分が過ぎて、さくら前線が東京にもやってきました。
桜が咲きはじめ、やがて満開になり、そしてはらはらと散ってゆくこの時期にぴたりと寄り添うのが「しらうお」です。
お椀の椀種になって、つゆの中に浮かび、また、さっと湯がかれて握り鮨の鮨種にもなりますが、美味さから言って断然光るのが、てんぷらです。
小魚なのに旨味が濃いのは、幼魚ではなく、成魚故です。
昔は、東京湾で有り余るほど獲れました。佃島のしらうおはとりわけ有名でした。
はぜ、めごちなど小魚がてんぷらという調理に適していましたから、しらうおのてんぷらは春の風物詩でもありました。
「みかわ是山居」では、宍道湖のしらうおから使い始め、宮城・松島のしらうおが出始めると、最高潮に達します。
1本1本揚げられたしらうおの儚くも心に深く染み入る味わいです。
それが、東京の桜の季節と見事に重なるわけなんですね。
店舗情報
店名 | みかわ是山居(ぜざんきょ) |
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住所 | 東京都江東区福住1丁目3−1 |
TEL | 03-3643-8383 |
営業時間 | 11:30~13:30 17:00~21:30(要予約) |
定休日 | 水曜日 |
URL | http://mikawa-zezankyo.jimdo.com |