咲き誇る花と緑の織りなす美しさを、うるわしと讃えられた大和の国。悠久の古を歩きながら、この地で産する食材をふんだんに用いた料理をじっくり味わいたい。

Da Ciccio(ダ チッチョ)|地場の食材を正統派イタリアンに

「大和丸なすのニョケッティ」。くり貫いた丸なすの中にはトマトソースのニョッキ。モッツァレラチーズをかけて焼き上げた。
「宇陀金ごぼうと倭鴨のロースト、赤万願とうがらしの野菜煮込詰添え」。コースは昼4皿4400円~、夜5皿7700円~。

大阪の有名ホテルで修業を積み、船場の老舗イタリアン『コロッセオ』では料理長も務めた店主の佐々木秀伸さん(50歳)。独立の場に選んだのは妻の出身地、奈良だった。地の食材を大切にするイタリア料理の本質を全うするには、食材豊富な奈良が最適だったと佐々木さんは話す。

「そもそも伝統野菜や大和牛の秀逸さで知られる地。そこに近県から届く新鮮な魚介を加え、奈良らしく自分らしいイタリア料理店にしたいと思いました」

昼夜ともに味わえるのは、パスタやメイン料理を数種から選ぶ自由度の高いコース。大和丸なすや宇陀金ごぼうといった大和伝統野菜や倭鴨、大和郡山の市場へ毎朝出向いて仕入れる魚介類を巧みに組み合わせた料理が並ぶ。

この日の前菜として登場したのは、セコガニ(ズワイガニの雌)に地の野菜を合わせたサラダとヒオウギ貝のラズベリーソースを盛り付けた一皿。とろりとした蟹の甘さや、サクッとしたヒオウギ貝の瑞々しさが際立つ。ジャガイモを使うことが多いニョッキも、ベースを大和丸なすにして、ほの甘く、ふわりとした食感を生む。

冷前菜として出される海鮮料理。ヒオウギ貝のラズベリーソース(手前)と、セコガニと
アボカド、ラディッシュのサラダの2種盛り。

「地元の方にも、改めて奈良の野菜や食材の力を知ってほしい」という佐々木シェフの、真摯な意気込みが伝わってくる。

店主の佐々木秀伸さん。岩手県出身。辻調理師学校を卒業後、大阪のリーガロイヤルホテルや町場のイタリアンでも腕を磨いた。

Da Ciccio

2020年に建てられたビルの2階。テーブル4卓。興福寺などからも近いならまちの中心地にある。 

奈良市今御門町26-2 Noriビル2階
電話:0742・93・6447
営業時間:11時30分~15時、18時~20時30分(要予約)
定休日:月曜、不定休あり
交通:近鉄奈良駅から徒歩約11分

※この記事は『サライ』本誌2024年11月号より転載しました。

『サライ』2024年11月号は特別付録「『ザ・スコッチハウス』スケジュール手帳」付き。

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
2月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店